会社をより良くしていくためには、問題点を見つけ改善を繰り返していかなければなりません。そのためには、経営者や管理職側からだけでなく社員からも改善すべき問題点を集める必要があります。
本記事では社員から業務改善の提案を行ってもらう方法や業務改善の見つけ方、また業務改善提案書の記載事項について解説します。
業務改善を社員から提案してもらうには提案しやすい環境を整えること
社員が業務改善を提案しやすい環境を整えることは、社内の業務改善を行う上で一番重要なポイントです。
例えば業務改善を提出した人に対して「業務が増えるのに余計なことを言うな」「見通しが甘すぎる」「お前の効率が悪いだけ」などの声が上がる会社で業務改善の提案は集まるでしょうか?集まらないのではないでしょうか。
業務改善を提案することが社員にとってデメリットとなるような会社では、社員から業務改善の提案を集めることはできません。社員が業務改善を当たり前に提案できるような環境を整えましょう。
業務改善に報酬をつけることも一つの手段
会社によっては、業務改善提案書の提出に対して報酬を支払う会社もあります。業務改善提案書1件の提出に対して数百円、採用されれば数千円~数万円など報酬を支払うことで社員に提案書の提出を促しているのです。
報酬に限った話ではなく、採用者を表彰したり評価の対象にしたりするなど社員が業務改善に前向きになれるような対策を取ることは業務改善の提案数を増やすためには効果的です。業務改善の提案数に悩んでいる場合はこのような対策も検討してみてください。
業務改善の見つけ方
業務改善の内容に困ったときは「自分の業務」「周囲の業務」「自分にとっては業務ではない事柄」の3つの観点から改善点を探してみましょう。
自分が面倒だ・嫌だと感じている業務を深堀してみる
業務改善の内容を探すときには、まず自らの業務を思い返してみてください。「面倒だ」「やりたくない」と感じている業務はないでしょうか。思い当たる業務が見つかった場合、なぜ自分がそう感じているのか深堀してみましょう。
その理由が時間がかかる・手作業が多い・同じ作業の繰り返しなどであった場合、このように深堀することで改善すべき点を見つけ出せます。
- 時間がかかる→なぜ時間がかかるのか?→時間を短縮する方法はないか?
- 手作業が多い→手作業を減らすことはできないか?→システム化、RPA化できないか?
- 同じ作業の繰り返し→作業を1度、または数回で終わらせる方法はないか?
周囲の業務に目を向けてみる
自分の業務以外の業務に対しても改善点を探してみましょう。「Aさんは毎月あの業務で大変そうだ」「こんなにあの業務に人手が必要なものだろうか?」など自分の業務以外からでも疑問点は見つけられます。他人の業務なので他人が考えればよいという考えは捨て、どうすれば改善できるのかを考えてみましょう。
自分にとっては業務ではない事柄でも問題点について考えてみる
自分にとっては業務ではない事柄でも、会社においては誰かの業務であることが多いです。例えば消耗品の品揃えや社食の混雑具合など。これらはあなたにとっては業務ではなく、設備や福利厚生の一部であるかもしれません。
そのためこれらを改善しても「業務の改善ではないのでは?」と考えてしまいがちです。ですが、会社においてはこのような一見業務ではないと思われがちなこともほとんどの場合誰かが業務として管理しています。
- 消耗品の品揃えを増やしてほしい→消耗品の見直し→消耗品を管理する部門にとっての業務改善
- 社食が混雑していて利用しづらい→社食のレイアウトの見直しや利用時間をルール化→社食を管理する部門にとっての業務改善
このように「自分にとって業務ではない」ことも突き詰めていけば社内の誰かの業務改善につながります。一見業務には繋がらないような事柄でも、何が問題なのか突き詰めて考える癖を身に付けましょう。
業務改善提案書の記載例
業務改善提案書にはこれらの項目を記載します。
- 現状について:現状どのようなことが起こっているのか
- 問題点:何が問題なのか、何に困っているのか
- 改善案:どのように改善していくか、何を行うか、何を購入するかなどの具体策
- 改善により得られる効果:改善案を行うことでどのような効果が得られるのか、何がどう変わるのか
- 費用:改善案を実現するために費用となる費用額
必要であれば見積書やパンフレットなどの資料を添付し、読み手が理解しやすい提案書になるよう心掛けましょう。
まとめ
業務改善の内容を探すときには、自分の業務・周囲の業務・一見業務には関係なさそうな事柄の3つの観点から問題点を探してみましょう。「面倒だ」「嫌だ」「やりたくない」と感じている業務ほど問題点は見つけやすいものです。
問題点が見つかれば、なぜ面倒だ・嫌だと感じているのか深掘りし、どうすれば改善できるか考えましょう。そうして考えた結果をまとめていくと業務改善提案書が完成します。