今年もIT導入補助金の募集が開始されました。IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が活用できる制度。ITツールの導入に対して補助金がもらえます。近年では通常の補助金枠とは別に、新型コロナウイルス感染症対策のための特別枠が増設されました。非接触型のビジネスやテレワークに移行するために使われるITツールに対して補助金が支払われます。
IT導入補助金の目的
IT導入補助金とはITツールの導入に対してもらる補助金のこと。中小企業や小規模事業者向けに経済産業省が実施しています。IT導入補助金はITツールを活用することで、中小企業や小規模事業者の業務の効率化や売上アップを目的としている制度です。
IT導入補助金の概要
IT導入補助金は、ITツールの導入に対して補助金が受けられる制度。事前・事後に審査があり、審査に通った場合のみ補助金を受け取ることができます。
この制度はソフトウェア費用やソフトウェアの導入費用が申請対象です。対象となるITツールにはこのようなものがあります。
・会計システム
・ロボット型接客ツール
・クラウド顧客管理ツール
・車両管理システム
・勤怠管理システム
・電子カルテシステム
・3次元CAD
・給与計算システム
ITツールならどれでもいいというわけではなく、事前に制度から許可が得られているツールのみ申請の対象となります。
IT導入補助金の適用を受けるには、まず導入したいITツールとIT導入支援事業者の選定を行う必要があります。IT導入支援事業者とは、ID導入補助金を受ける際にサポートをしてくれる事業者のこと。IT導入支援事業者となるには事前に許可を受け登録を行う必要があり、主にITツールを提供しているITベンダーやITサービス事業者が該当します。
このIT導入支援事業者と協同して補助金の申請書類を作成・提出し、補助金の交付決定が得られればITツールの導入へと移ります。
【手続きの簡単な流れ】
- 導入するITツール・IT導入支援事業者を決める
- gBizIDプライムアカウントを取得し、SECURITY ACTIONを実施する
- 交付申請
- (交付許可が下りれば)ITツールの導入を実施
- 事業の実績報告となる証憑を提出
- 補助金交付手続き
- 事業実施効果報告
IT導入支援事業者と対象となるITツールは、下記のサイトにて検索が可能です。
参考:IT導入支援事業者・ITツール検索|一般社団法人サービスデザイン推進協議会
IT導入補助金は毎年複数回募集があります。そのうちどこに申し込んでも問題はありませんが、この制度は予算消化型のため今年度の予算が尽きた時点で募集終了となります。早めに申請ができる方は、予算に余裕があるうちに申込を行いましょう。
2021年度のIT導入補助金
2021年度には従来のIT導入補助金制度にはなかった特別枠が増設されています。正式には低感染リスク型ビジネス枠と呼ばれ、昨年あったC類型が今年はC類型・D類型と2つの類型になりました。以前からある通常枠はA類型・B類型と分類されています。
C・D類型は新型コロナウイルス感染症対策のため導入されました。感染リスクを抑えるため、ITツールを活用して非対人型ビジネスやテレワークへ移行してもらい、そのITツールを導入するために補助金を出すという制度です。A・B類型に比べて補助金の補助率が高く、これから非対人型やテレワークでの業務体系へ移行させたい企業にとってはありがたい制度となっています。
2021年度の補助対象経費・補助金額・補助率・スケジュール
2021年度のIT導入補助金の対象経費や補助金額、補助率、スケジュールはこのようになっています。
【補助対象経費】
A類型・B類型:ソフトウェア費、導入関連費など
C類型・D類型:ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費など
【補助金額(上限額・下限額)】
A類型:30万円~150万円未満
B類型:150万円~450万円以下
C類型:30万円~450万円以下
D類型:30万円~150万円以下
【補助率】
A類型・B類型:2分の1以内
C類型・D類型:3分の2以内
【スケジュール】
1次締切分:5/14(金)
2次締切分:7/30(金)
3次締切分:9月中(予定)
※以降予算に応じ複数回設定
注意点は従来からあるA類型・B類型と新設されたC類型・D類型とでは、補助の対象となる経費が異なっていること。C類型・D類型では、パソコンやタブレットといったハードウェアのレンタル費用も補助の対象となります。
また、新設された類型の方が従来からある類型に比べて補助率が高くなっています。どちらの要件にも当てはまる場合は、事前にどちらが自社にとって優位かどうか検討の上申請をするようにしましょう。
まとめ
IT導入補助金は、中小企業や小規模事業者にとってはありがたい制度です。新しいITツールを導入するには初期投資に多額の資金が必要になります。それに対して補助金を得ることができるため、浮いたお金を事業の拡大に回すことができます。
特に今年は、新型コロナウイルス感染症対策のため特別枠が設けられています。通常では申請の対象とならないハードウェアのレンタル費用も申請の対象に加わり、また補助額もいつもより多めに設定されています。この機会にビジネスの非対人化やテレワーク化をより一層進めてみてはいかがでしょうか。