確定申告前に確認!所得控除には何があるの?

確定申告では1月1日から12月31日までの所得額を計算し、それに応じた所得税額を算出・納税します。その所得額から一定額の控除を受けることができる仕組みが所得控除です。所得控除を受けることができると、節税をすることができます。

所得控除には全部で15種類あり、それぞれ適用を受けることができる条件が決められています。

所得控除と所得控除を受けられる人

控除の名称と対象となる可能性のある方を簡単にまとめました。

・雑損控除:災害・盗難にあった方
・医療費控除:医療費が多額に必要だった方
・社会保険料控除:ほぼすべての方
・小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済、確定拠出年金、心身障害者扶養共済制度の利用者
・生命保険料控除:生命保険に加入している方
・地震保険料控除:地震保険に加入している方
・寄付金控除:寄付金を支払った方(ふるさと納税含む)
・障がい者控除:障がい者本人、または配偶者・扶養親族が障がい者の方
・寡婦控除:夫と離婚・死別等をした方(ひとり親除く)
・ひとり親控除:ひとり親の方
・勤労学生控除:学生の方
・配偶者控除:配偶者がいる方
・配偶者特別控除:配偶者がいる方
・扶養控除:扶養家族がいる方
・基礎控除:ほぼすべての方

ここから先は、上記を元に自分にとって関係のありそうな控除の欄を参考にしてください。

雑損控除

雑損控除は災害や盗難などにあったときに利用できる所得控除です。

災害には台風や地震、大雪といった天災から火災や火薬の爆発といった人為的な災害まで含まれます。また、盗難や横領も雑損控除に含むことができます。しかし、詐欺や恐喝は雑損控除の対象とはなりませんので注意が必要です。

下記2つの計算のどちらか多い方の金額を所得控除として適用することができます。
(差引損失額)-(総所得金額等)×10%
(差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

差引損失額の計算式
損害金額+災害等に関連したやむを得ない支出の金額ー保険金などにより補てんされる金額

損害金額:損害を受けた資産を損害を受けた直後の時価総額に計算した金額
災害等に関連したやむを得ない支出の金額:壊れた家を撤去する費用や横領で受けた損失の補てん額など
保険金などにより補てんされる金額:損害賠償金や火災保険などで補てんされる金額

所得額が1,000万円以下の方は災害減免法により所得税の減免、または免除を受けられる可能性があります。詳細は国税庁のホームページを参考にしましょう。

参考:国税庁|No.1902 災害減免法による所得税の軽減免除
参考:国税庁|No.1110 災害や盗難などで資産に損害を受けたとき(雑損控除)

医療費控除

医療費を一世帯につき10万円以上支払ったときに利用できる控除です。控除額は下記の計算式で算出できます。(最高200万円まで)

一世帯辺りで1年間に支払った医療費の総額ー保険金として受け取った額ー10万円(世帯所得が200万円未満の場合は総所得額の5%の金額)

あまり医療費を使っていない方は、次にご紹介するセルフメディケーション税制を検討してみてください。
参考:国税庁|No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)

セルフメディケーション税制

セルフメディケーション税制とは、特定の医薬品を購入したときに利用できる控除です。ドラックストアで売られている風邪薬やビタミン剤などが対象となっています。控除額は1年間の特定医薬品購入額ー1万2千円です。(上限8万8千円)
参考:国税庁|No.1129 特定一般用医薬品等購入費を支払ったとき(医療費控除の特例)【セルフメディケーション税制】

社会保険料控除

社会保険料控除とは、毎月支払っている国民年金や国民健康保険料、介護保険料を全額控除することができるというもの。納税者本人と、納税者と生計を一にする家族分の支払いを合わせて控除にすることができます。

会社員の場合は、会社が年末調整にて控除を行ってくれます。一方、個人事業主の方は自ら納税額を計算し、納税に関する書類を保存しておく必要があります。

参考:国税庁|No.1130 社会保険料控除

小規模企業共済等掛金控除

小規模企業共済等掛金控除には大きく分けて3つの種類があります。

  • 小規模企業共済法の規定によって独立行政法人中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約の掛金
  • 確定拠出年金法に規定する企業型年金加入者掛金又は個人型年金加入者掛金
  • 地方公共団体が実施する、いわゆる心身障害者扶養共済制度の掛金

一つ目の「独立行政法人中小企業基盤整備機構と結んだ共済契約」とは、小規模企業共済のことです。経営者や個人事業主のみが加入でき、個人事業主の方には節税対策で知られています。

二つ目は企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金(iDeCo)が該当します。

三つ目は心身障害者扶養共済制度ー障害のある方の保護者の方が加入することができる共済のこと。

これら3つの掛金として支払った金額は、全額所得控除を受けることができます。

参考:国税庁|No.1135 小規模企業共済等掛金控除

生命保険料控除

生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を支払っているときに利用できる控除のこと。契約の種類や支払額によって控除額が異なり、最高額は12万円となっています。

生命保険料控除を受けるときには、保険会社から送付されてくる支払金額に関する書類を保存しておく必要があります。契約者の方は忘れずに保存するようにしましょう。

参考:国税庁|No.1140 生命保険料控除

地震保険料控除

地震保険に契約している方は、地震保険料として支払った金額を控除することができます。控除額は最高5万円で、保険の種類と年間支払額によって控除額が変わってきます。

参考:国税庁|No.1145 地震保険料控除

寄付金控除

寄付金控除とは、特定の団体や国、地方公共団体に寄付を行ったときに適用できる控除です。控除額は下記計算式にて算出されます。

次のいずれか低い金額-2千円=寄附金控除額

  • その年に支出した特定寄附金の額の合計額
  • その年の総所得金額等の40%相当額

ふるさと納税もこの寄付金控除に該当します。ふるさと納税とは、自分で選んだ自治体に寄付ができる制度のこと。

ふるさと納税にはワンストップ特例という制度があり、寄付をした自治体が5自治体以下の場合に利用できます。この特例を利用すると、確定申告をする必要がなくなります。(給与所得者のみ)5自治体以上へ寄付をした方は、自ら確定申告を行い寄付金控除を申告する必要があります。

参考:国税庁|No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)
参考:国税庁|No.1155 ふるさと納税(寄附金控除)

障がい者控除

納税者本人、または生計を一とする配偶者・扶養親族が障がい者の場合に適用される控除です。控除額は27万円・40万円・75万円となっています。

参考:国税庁|No.1160 障害者控除

寡婦控除

寡婦控除とは、ひとり親に該当せず、かつ下記のいずれかにあてはまる寡婦の方が適用できる控除です。控除額は27万円となっています。

  • 夫と離婚した後婚姻をしておらず、扶養親族がいる人で、合計所得金額が500万円以下の人
  • 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人

参考:国税庁|No.1170 寡婦控除

ひとり親控除

所得が500万円以下のひとり親の方はひとり親控除の適用を受けられます。控除額は35万円です。

参考:国税庁|No.1171 ひとり親控除

勤労学生控除

納税者本人が大学や高校など特定の学校の生徒である場合、勤労学生控除を利用できます。控除額は27万円です。

参考:国税庁|No.1175 勤労学生控除

配偶者控除

以下の条件をすべて満たす配偶者がいる納税者は配偶者控除を受けることができます。(所得金額が1,000万円超の場合は対象外)

  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

【配偶者の年齢が70歳以下】
納税者の所得額:控除額
900万円以下:38万円
900万円超950万円以下:26万円
950万円超1,000万円以下:13万円

【配偶者の年齢が70歳以上】
納税者の所得額:控除額
900万円以下:48万円
900万円超950万円以下:32万円
950万円超1,000万円以下:16万円

参考:国税庁|No.1191 配偶者控除

配偶者特別控除

配偶者特別控除とは、配偶者の所得が配偶者控除の対象範囲以上の場合に受けられる控除のことです。(納税者本人の所得金額が1,000万円超の場合は対象外)

  • 民法の規定による配偶者であること(内縁関係の人は該当しません)
  • 控除を受ける人と生計を一にしていること
  • その年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと
  • 年間の合計所得金額が48万円超133万円以下であること

参考:国税庁|No.1195 配偶者特別控除

扶養控除

扶養控除とは、扶養親族のいる納税者が受けることのできる控除のこと。扶養親族となるには、下記4つの要件を満たしている必要があります。

  • 配偶者以外の親族、または都道府県知事から養育を委託された児童や市町村長から養護を委託された老人
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

控除額は、扶養親族の年齢によって異なっています。16歳以下の扶養親族は36万円、19歳以上23歳以下扶養親族は63万円です。70歳以上の扶養親族の場合は同居していれば58万円、同居していなければ48万円となっています。

参考:国税庁|No.1180 扶養控除

基礎控除

基礎控除は申告を行うすべての人に適用される控除です。納税者本人の所得額に応じて、控除できる金額が決まっています。

【納税者本人の所得金額の合計:控除額】
2,400万円以下:48万円
2,400万円超2,450万円以下:32万円
2,450万円超2,500万円以下:16万円
2,500万円超:0円

参考:国税庁|No.1199 基礎控除

まとめ

以上が所得控除15種類になります。控除が適用できるかどうかは金額や家族構成などさまざまな要件によって異なっています。「自分も適用できそうかな?」という控除があった方は、その控除について詳しく調べる、または確定申告会場や税務署などで専門家に確認をするようにしましょう。

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