個人事業主の開業届のメリット・デメリット|提出方法と注意点

「個人事業主としてこれから事業を継続していく」と決めたときに提出するのが「開業届」です。開業届を提出すると、それまでにはなかった節税効果を得ることができます。しかし、開業届の提出にはデメリットもあります。

今回は開業届のメリット・デメリットを中心にみていきます。開業届の出し方や注意点についても記載していますので「これから開業届を提出する」「開業届を出そうかどうか迷っている」という方はぜひ参考にしてみてくださいね。

開業届とは?

開業届とは、個人が事業を新しく始めるときに税務署に提出する書類です。正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」と言います。事業用の事務所の増設や移転を申告する際にも利用されています。

参考:国税庁|[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

開業届を提出するメリット・デメリット

開業届にはどのようなメリットがあるのでしょうか?デメリットと合わせてみていきましょう。

メリット

開業届を提出するメリットは、青色申告できるようになり様々な控除が受けられる点です。

青色申告特別控除が利用できる

開業届提出後「青色申告承認申請書」を提出することで青色申告特別控除が利用できるようになります。

青色申告特別控除とは、確定申告を青色申告で行っている人が受けることのできる控除のこと。控除額は最大65万円で、65万円・55万円・10万円の3つの種類があります。

最大額である65万円の控除を受ける場合は、
・確定申告をe-Taxで行う
・帳簿を電子帳簿で保存する
のどちらかの要件を満たしている必要があります。

上記のような特別控除は白色申告にはありません。開業届を提出したときは、青色申告承認申請書もあわせて提出し青色申告特別控除を受けられるようにしましょう。

参考:国税庁|No.2072 青色申告特別控除
参考:国税庁|[手続名]所得税の青色申告承認申請手続

赤字を繰り越せる

事業で赤字が出た場合、青色申告ではこの損失を最長3年間繰り越すことができます。この繰り越した赤字は、翌年以降黒字が発生した際に相殺して控除が可能に。節税効果を得ることができます。

デメリット

開業届には良い面だけでなく悪い面もあります。どちらも合わせて知っておきましょう。

処理に手間がかかる

開業届を出すデメリットにはいろいろと手間がかかるという点があげられます。開業届の提出に始まり、廃業する際には廃業届の提出も必要になります。

また、開業届提出後に青色申告を利用する場合、複式簿記での記帳を求められます。白色申告を行っていたときに比べて、会計処理にかかる手間が増えてしまいます。

失業手当を受けられない

失業手当とは、雇用保険に加入している会社員が退職をした際に受けられる手当。次の勤務先が見つかるまでの間の生活費を保障するために支払われます。

そのため、「開業届を提出している=失業状態ではない」と判断され失業手当を受けることができなくなります。

開業届の出し方

開業届は事業を開始した日から1か月以内の提出が求められています。提出方法には2種類あり、申請書を記入して税務署に持ち込み・送付する方法と、e-Taxを利用する方法があります。

1.税務署に提出する(持ち込み・郵送)

紙で開業届を提出したい場合は、税務署へ直接持参をするか、または郵送をしましょう。

税務署には開業届が用意されています。その場で開業届を記入し、提出することが可能です。また、インターネットからフォーマットをダウンロードして事前に記入しておくこともできます。

提出先は納税地を所轄する税務署です。自宅を事務所として開業をする場合は、住んでいる自治体を所轄する税務署となります。

参考:国税庁|No.2090 新たに事業を始めたときの届出など

2.e-Taxで提出する

e-Taxとは、国税庁が運営している税金の申告や納税がオンラインでできるサービスのこと。このe-Taxを利用すると、自宅にいながらにして開業届を提出することができます。持ち込みの場合は交通費、郵送の場合は郵便代が必要になりますが、e-Taxは特に費用は必要ありません。

e-Taxでは開業届を提出する前に利用登録を行う必要があります。利用者識別番号や電子証明書の取得、e-Taxソフトのダウンロードなどです。また、登録にはマイナンバーカードとICカードリーダーが必要になります。

すべての登録が終わった後、ダウンロードしたe-Taxのソフトを利用して開業届を提出することができます。開業届はインターネットを介して税務署へ送信されるため、別途郵送等の手続きは不要です。

参考:国税庁|e-Taxの開始(変更等)届出書作成・提出コーナーについて

開業届提出の注意点

開業届は何に注意をして記入すればいいのでしょうか?

屋号はつけなくてもいい

開業届を初めて書く方の多くが戸惑う欄が「屋号」の欄です。屋号とは会社名のようなもの。事務所やオフィスがある方は事務所名やオフィス名を付けることが一般的です。

しかし、中には個人の名前だけで活動している方もいます。そのような場合は、無理に屋号をつける必要はありません。屋号欄は必要に応じて記入するようにしましょう。屋号を付けたくなった・変更したくなった場合は再度申請を行うことも可能です。

提出した開業届の控えを保存しておく

開業届を提出のとき、見落としがちな注意点がこちら。開業届を提出するときには控えを保存しておくようにしましょう。融資を受けるときや屋号口座を開設するときに利用します。

郵送や持参で提出の際には開業届を2部用意し、1部を提出、残り1部には税務署の受付印を押印してもらって保存してください。e-Taxの場合は、送信した開業届のデータと受信通知を保存しておくようにしましょう。

まとめ

開業届を提出すると青色申告を選ぶことができるようになります。青色申告には、青色申告特別控除や赤字の繰越など、白色申告にはない節税効果を得ることができます。その反面、複式簿記での仕訳計上といったデメリットも。

開業届を出すかどうか迷ったときには、メリットとデメリットを比較した上、自分にとって良いと判断できる方を選ぶようにしましょう。

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