経理が知っておくべき「マイナンバーを利用する業務3つ」

皆さんマイナンバーの取扱いには慣れてきたでしょうか?「まだほとんど使ったことがない」という方や「通知カードはもらったけどしまい込んでしまった」という方もいらっしゃいますよね。

今のところ、役所等での手続きを除けば日常生活でマイナンバーを使う機会はそう多くはありません。

今回は「マイナンバーとは何か?」という復習から始めて「経理でマイナンバーを利用する業務3つ」についてみていきます。

日常生活であまり使わないからといって、経理に携わる者として「知らない」では済まされないのがマイナンバーです。これからどんな業務に使っていくのかみていきましょう。

マイナンバー制度とは?

マイナンバー制度とは、日本に住民票を有するすべての人が個人ごとに定められた番号を持ち、国や行政機関がその番号をもとに個人の情報を確認するための制度。日本では2016年から運用が開始されました。

 

マイナンバーとは

マイナンバー制度によって、国民一人につきひとつの12桁の数値の番号が通知されました。この番号がマイナンバーです。マイナンバーが印刷された紙ー通知カードが全国民に郵送で届けられました。

 

マイナンバーカードとは

希望をする人はマイナンバーカードと呼ばれるプラスチック製のカードの交付を受けることができます。中にはICチップが内蔵されており、この中に個人の情報が記録されています。

マイナンバーカードはインターネットを通しての確定申告や、コンビニでの印鑑登録証明書の取得に利用できます。

 

マイナンバー制度は具体的にどう活用されているのか

マイナンバー制度は国や行政機関が個人の情報を特定するために活用されています。

 

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の3分野で、複数の機関に存在する個人の情報が同一人の情報であることを確認するために活用されます。

上記の通り、マイナンバーを利用することによって、複数の機関の間で個人情報の特定を行っています。

A機関にある〇〇という人のマイナンバーが123456789123である場合、B機関にある123456789123というマイナンバーの人は〇〇という人であるという風に、マイナンバーがあることによって個人の特定を容易にしているのです。

参考:内閣府|マイナンバー制度について

 

マイナンバーは誰でも利用していいのか

マイナンバーの利用目的は制限されています。そのため、誰でも自由に使えるものではありません。

 

マイナンバーは、社会保障、税、災害対策の法令で定められた手続のために、国や地方公共団体、勤務先、金融機関、年金・医療保険者などに提供するものです。 マイナンバーの提供を受けた者は、こうした法令で定められた目的以外にマイナンバーを利用することはできません。

上記にある通り、マイナンバーは国や地方公共団体、勤務先、金融機関、年金・医療保険者などに提供するものです。そして利用できるのは社会保障、税、災害対策の法令で定められた手続のためだけです。これ以外の目的でマイナンバーを利用することはできません。

例えばマイナンバーを社員番号の代わりにすることは上記利用目的外のため禁止されています。

参考:内閣府|マイナンバー制度について

 

マイナンバーを利用する経理業務3つ

マイナンバーがどのようなものかわかったところで、経理業務とマイナンバーのかかわりについてみていきます。経理業務でマイナンバーが必要になるのはどのような場面でしょうか?

1.労務管理ー従業員のマイナンバー

こちらは会社によって担当部門が違ってきます。大企業では総務や労務が担当している場合が多く、中小企業では経理が担当していることもあります。

 

従業員のマイナンバーは年末調整や源泉徴収票の作成に必要となってきます。また、社会保障や年金などの手続きの際にも必要です。そのため、会社は従業員のマイナンバーを収集する必要が出てきます。

収集・保管には厳格なルールが定められています。取扱いの際は個人情報保護委員会から出されている「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」に従うようにしましょう。

参考:個人情報保護委員会|特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン

 

2.支払調書ー個人事業主や士業のマイナンバー

原稿料や講演料、士業報酬といった源泉所得税の徴収が必要となる報酬を支払った場合、対象者のマイナンバーを収集する必要がでてきます。報酬を支払った該当者のマイナンバーは年末に支払調書を作成する際に必要となります。

 

支払調書とは「誰にいくらの報酬を支払い、いくら源泉所得税を徴収したのか」をまとめて税務署へ申告するための書類です。毎年1月31日までに提出する必要があります。そのため、対象者のマイナンバーはそれまでに収集しておく必要があります。

この場合のマイナンバーは、報酬を支払った者全員分を必要とはしていません。支払合計額が提出範囲に該当した者のみマイナンバーの記載が必要となります。

例えば、原稿料や講演料、士業報酬に関しては年間の支払合計額が5万円を越えるもののみ対象となります。

報酬の種類によって金額が異なってきますので、支払調書作成前に確認しておくようにしましょう。

 

参考:国税庁|No.7431 「報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書」の提出範囲と提出枚数等

 

3.税務手続きー法人のマイナンバー

実はマイナンバーは2種類あるのです。ご存知でしたでしょうか。

 

その2種類とは、個人に付与されているマイナンバー(個人番号)と法人に付与されているマイナンバー(法人番号)です。

 

法人番号とは、1法人に1つ指定される13桁の数値番号のこと。この番号は、①設立登記法人・②国の機関・③地方公共団体・④税法上特定の届出書を提出することとされている①~③以外の法人又は人格のない社団等に指定されることになっています。

 

法人番号は個人のマイナンバーとは違って誰でも自由に利用することができます。各社の番号もホームページ上で公開されており、いつでも調べることができるようになっています。

 

経理では、この法人番号を税務申告の際に利用しています。申告書内に自社の法人番号を記載する欄がありますので、そちらに自社の法人番号を記入することになります。

また、他社の法人番号を利用する機会もあります。そんなときは国税庁の法人番号公表サイトで検索すれば番号を調べることができます。

参考:国税庁 法人番号公表サイト|法人番号とは

   国税庁 法人番号公表サイト

 

まとめ

マイナンバーは利用目的外の利用が禁止されています。そのことをしっかりと認識した上で取り扱うようにしましょう。

経理業務でもマイナンバーを取り扱う機会があります。従業員の労務管理や報酬の支払調書作成の際などです。

また、マイナンバーには2種類あり個人だけでなく法人も番号を持っています。経理では税務申告の際に自社の法人番号を記入しますので、いつでもわかるようにしておきましょう。

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