電子帳簿保存法のメリット・デメリットは?対応前に検討すべきこと

電子帳簿保存法を適応させると、国税関係帳簿書類を電子データにて保存することができるようになります。それだけではなく、スキャナ保存制度も併用すれば領収書やレシートをスマホ撮影することにより経費精算することも可能に。

一見良いことだらけの電子帳簿保存法。しかし、本当にそうなのでしょうか?今回は、電子帳簿保存法のメリットとデメリットをみていきます。良い部分と悪い部分、両面から電子帳簿保存法について学んでいき、自社で適応させるかどうかの判断材料にしましょう。

電子帳簿保存法とは?

電子帳簿保存法とは、国税関係帳簿書類を電子データにて保存するための制度です。領収書や請求書、見積書を電子データにて保存することができ、紙での保管が不要になります。

この制度を適用させるためにはタイムスタンプの付与や事務処理要件の備付けなどさまざまな準備が必要となります。

しかし、その反面メリットも大きいのがこの制度。電子帳簿保存法に対応することができると、経理業務を家で行うことができたりスマホ撮影による経費精算でレシート原本の保存が不要になったりするのです。

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電子帳簿保存法のメリット

電子帳簿保存法にはこのようなメリットがあります。

1.保管のためのスペースが不要になる

2.紙代、印刷代、保管料、作業人件費、郵送代の削減

3.テレワーク・在宅勤務が可能になる

4.いつでもどこでも申請・承認が可能になる

5.紙を使わないので環境に優しい

6.紙の劣化・紛失を防ぐ

7.検索が楽

1.保管のためのスペースが不要になる

電子帳簿保存法を経理関係の書類に適用させた場合、それらの書類は電子データにて保存が可能となります。

電子データで保存ができるということは、データはすべてサーバーやクラウドの中です。今までのように、キャビネットにファイルを大量に保管する必要はなくなります。紙の保管のためのスペースはこれによって不要となるのです。

2.紙代、印刷代、保管料、作業人件費、郵送代の削減

電子データで帳票や証憑を保存できるようになると、今までのように紙で印刷をして保管をする必要がなくなります。帳票を紙に印刷するためにかかっていた印刷代、そして紙そのものの用紙代は不要に。その印刷を行っていた人の作業人件費も不要となります。

紙の保管に倉庫を借りていた場合は、この倉庫にかかっていた保管料も不要となります。また、書類のやりとりを郵便で行っていた会社にとっては郵送代の削減も可能。金銭的にもメリットの大きな制度なのです。

3.テレワーク・在宅勤務が可能になる

電子帳簿保存法を適用させる大きなメリットといえるこちらの項目。電子データで経理書類を確認することができるようになるため、パソコンやスマホなどのデバイスとインターネットさえあればどこからでもその電子データにアクセスできるようになります。つまり、その書類の確認のためだけに出社をする必要はなくなります。

どの書類を電子帳簿保存法に適用させるかにもよりますが、経理業務の中でも特に紙作業での比率が高い請求書や領収書といった証憑をスキャナ保存制度に対応させた場合、経理が紙資料の確認のために出社をする頻度は限りなく減らすことができます。

そうなってくると、経理業務のテレワーク化や在宅勤務での対応も可能になってきます。これからの時代にあった働き方をすることができますね。

4.いつでもどこでも申請・承認が可能になる

スキャナ保存制度対応の経費精算や交通費精算のシステムを導入した場合、どこの国からでも何時でも申請や承認が可能となります。

これらのシステムはインターネットを介してクラウド上にシステムや電子データが保存されています。そのため、インターネットさえ利用できればどこの国からでもアクセスが可能。「海外出張だから申請が遅い」「承認がもらえない」といった事態はこれで解消することができます。

5.紙を使わないので環境に優しい

電子データでの保存は、紙とは違って資源を無駄にすることがありません。紙もインクも必要がないため、今までに比べて使用する資源を削減することができます。

会社規模が大きければ大きいほどこのメリットは大きく出ます。CSR活動の一助にもなるでしょう。

6.紙の劣化・紛失を防ぐ

紙で証憑を保存していた頃、こんなことが起ってはいなかったでしょうか?過去の請求書を探そうとしたら1枚足りない。昔のレシートをみようとしたら字が薄れて読めない。こんな事態に遭遇して途方にくれた経理、一人や二人ではありませんよね。

電子帳簿保存法で証憑を保存するようになると、このような事態はもう起こることがありません。電子データの証憑はいつでもクリアに見ることができ、劣化することもないからです。

7.検索が楽

電子帳簿保存法を適用させるためには、電子データの検索性を確保する必要があります。そのため、紙に比べて必要な資料の検索がとても楽になります!

ほしい資料を紙で探す場合、キャビネットを開けて必要な期間のファイルを探し、1ページずつページをめくって・・・。古い資料だと外部倉庫へ取り寄せ依頼をし、届いてから作業がスタートということも。ほしい資料を探すまでに数日かかってしまうということもありました。

しかし、電子データではこのような事態は起こりません。データを検索すればほしい資料がすぐに見つかります。日業の経理業務や監査対応の効率がぐっとあがりますね。

 

電子帳簿保存法のデメリット

電子帳簿保存法にはこのようなデメリットが考えられます。

1.初期費用がかかる

2.運用ルールを作り直す必要がある

3.社員教育が必要になる

4.電子のデータと紙のデータが混在することになる

1.初期費用がかかる

法律に合わせたシステムを導入するシステム導入費、運用ルールを策定する人件費、要件を満たしたスキャナ購入費用など電子帳簿保存法を初めて適用させる場合さまざまな費用の発生が見込まれます。

しかし、この導入が成功すれば今までかかっていた紙代や保管料が不要になります。長期的にみてどちらの方がコストが安くなるのか試算してみてください。

2.運用ルールを作り直す必要がある

電子帳簿保存法を適用させて経理書類を扱うには、今までの運用ルールとは変更すべき箇所が出てきます。

例えば、今まで「領収書は紙に貼って経理に提出」していたものを、「領収書を受け取って3日以内にスマホで撮影してシステムで申請すること」へ移行するといった具合です。

法律で求められている要件をしっかりと確認し、自社の運用をそれに合わせて変えていく必要があります。

3.社員教育が必要になる

2.運用ルールを作り直す必要があるで作り直した運用ルールを社内展開し、社員教育を行う必要があります。場合によっては新しい経費精算システムや会計システムの説明も伴います。

スキャナ保存制度を適用させる場合、スマホをほとんど使ったことがない世代の社員へはスマホやアプリの使い方といった教育も必要になってきます。

4.電子のデータと紙のデータが混在することになる

領収書、決算書、見積書、伝票、レシート、棚卸表など国税関係帳簿書類には数多くの書類が存在します。このすべてを一気に電子帳簿保存法に適用させるのは至難の業。おそらく、ほとんどの企業では自社にとって対応をしやすい・ニーズが高い書類から電子帳簿保存法へ適応させていきます。

そのため、過渡期には書類によって電子データで保存されているものと紙で保管させれているものが混在します。そのため「この書類は電子だっけ?紙だっけ?」と混乱を生むこともあります。

まとめ

電子帳簿保存法を適用させるためには、クリアしなければならない要件が多数あります。タイムスタンプの付与や適正事務処理要件の作成など、この法律に対応するためには時間も工数もお金も必要です。

しかし、導入してしまえば削減できることもたくさんあります。紙書類を探す煩雑さや紙の確認のためにわざわざ出社をする手間などとはさよならできます。

メリット・デメリット、どちらもしっかり認識した上で導入を検討するようにしましょう。

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