電子帳簿保存法|タイムスタンプとは?イチから解説!活用例も。

タイムスタンプとは、電子データがある時点以前から存在したことを証明し、またその時点から改ざんされていないことを証明するための技術。電子契約や領収書の電子化を行う際に活用されています。今回はこのタイムスタンプについての簡単な解説です。

タイムスタンプとは何か

タイムスタンプとは、ある時点でその電子データが存在していたことを証明するための技術のこと。電子データの改ざん防止にも活用されています。

電子データ―例えばPDF上に押されているスタンプをイメージしてください。そしてそのスタンプにはある情報が記載されています。記載されているといっても、タイムスタンプはPDFの上に目で確認できるわけではありません。電子データとして付与されるため、人間の目では見ることができないのです。

しかし、確かにスタンプとして押されている。目に見えない透明なスタンプだと考えてみてください。そしてそのタイムスタンプにはハッシュ値と呼ばれると数字と時刻情報の2つが含まれています。

ハッシュ値と時刻情報の2つを組み合わせた情報がタイムスタンプトークンとなり、電子データに付されます。ここからはその2つの内容について詳しくみていきます。

 

ハッシュ値とは?

まずハッシュ値の説明です。ハッシュ値とは、ハッシュ関数によって導き出される数字の文字列のこと。同じ電子データを使ってハッシュ値を計算をした場合は、必ず同じハッシュ値が算出されるようになっています。

1+1は何回計算してもいつ計算しても答えが2になりますよね?それと同じ仕組みです。

電子データが変わる(変更される・改ざんされる)と電子データを元にして導き出されているハッシュ値にも変化が起こります。そのため、タイムスタンプとして押印した時点のハッシュ値の数字とその後のハッシュ値の数字が違っていたら、そのデータはタイプスタンプ押印からハッシュ値の再確認までの間に何らかの変更が加えられたという証になります。

 

時刻情報とは?

続いては時刻情報です。時刻情報は、タイムスタンプが押された時点の時刻を表す情報のこと。

このタイムスタンプに含まれている時刻情報は、個人のパソコン内の時間ではありません。時刻認証事業者(TSA)によって発行されているより正確な時刻情報が付与されることになります。

時刻認定事業者は別名時刻認定局のこと。タイムスタンプを使いたい方は、インターネットから時刻認定局へタイムスタンプを要求します。つまり、時刻認定事業者とはタイムスタンプの発行元なのです。

タイムスタンプの時刻情報は時刻認定事業者によって発行されます。しかし、この時刻は時刻認定事業者が決めているものではありません。正確で確実な時刻情報を提供するため、別の機関によって発行された時刻情報を利用しています。

この別の機関は時刻配信局(TAA)と呼ばれています。時刻配信局では、国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)が供給する協定世界時(UTC)を元に時刻を配信しています。

TSA・TAAと各機関が独立していることで不正を防止し、時刻の正確性をより確実なものとしているのです。

タイムスタンプに含まれている時刻情報はこのようにして発行されています。

 

タイムスタンプはなぜ必要なのか?

タイムスタンプはなぜ必要とされているのでしょうか?その理由は、タイムスタンプがもたらしてくれる効果にあります。

タイムスタンプは電子データがそのタイムスタンプを押す前から存在し、かつタイムスタンプ押印後はデータが改ざんされていないことを証明してくれる効果があります。前者を「存在証明」、後者を「非改ざん証明」と呼びます。

タイムスタンプを利用することで、その電子データがいつから存在し、そしてそれ以降改ざんされていないことを証明することができる理由は、タイムスタンプに含まれているハッシュ値と時刻情報にあります。

 

タイムスタンプで電子データの改ざんがわかる理由

もし電子データが改ざんされていれば、データ内に含まれているハッシュ値は改ざん前と後のデータで変わってきます。前述した通り、ハッシュ値は電子データに変更が加わると同じ数値を導き出すことができなくなるからです。2つのデータを比較すれば、ハッシュ値が違っていることがすぐに判明するため、改ざんを防ぐことができるという仕組みになっています。

時刻情報にいたってはもっと明瞭です。改ざん後のデータに新たにタイムスタンプを付した場合、改ざん前のデータのタイムスタンプとは時刻の違った、改ざん後の時間でしかタイムスタンプを付与することができません。タイムスタンプのデータは個人で発行しているわけではないため、自分で改ざん前の時間に改ざんして付与することができないからです。そのため、時刻配信局が提供している正確な時刻を付することになります。改ざん前後で時刻が変わっていることは一目瞭然です。

このような効果があるため、タイムスタンプはデータの改ざんがされていないことを証明したい場合に主に利用されている技術になります。

 

タイムスタンプの活用〜電子契約と電子帳簿保存法〜

では、このタイムスタンプはどのようなところで利用されているのでしょうか?「今まで使ったことがないよ!」という方も多いですよね。

実はタイムスタンプは、電子文書を扱う際に広く使われている技術です。研究開発文書や医療用のカルテなど、様々な分野で活用されています。

 

1.電子契約

中でも特に、電子契約を行う場合にタイムスタンプが活用されています。電子契約とは、従来紙で行っていた契約行為を電子データを利用したものに切り替えた契約のこと。契約なので、紙の頃と同じように契約当事者双方は名前(署名)を記入する必要があります。電子契約の際は、この署名に電子署名という技術が活用されています。

電子署名とは、サインや印鑑の代わりとなる電子的な署名のこと。電子署名法により規定されています。電子署名には含まれていない時刻情報をタイムスタンプで、タイムスタンプには含まれていない署名情報を電子署名で補い合っている形です。電子契約行為の場ではこのようにタイムスタンプが活用されています。

 

2.電子帳簿保存法

近年タイムスタンプへの注目度が高まってきました。その背景のひとつに、電子帳簿保存法があります。

電子帳簿保存法とは正式名称を「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」と言います。どのような内容かというと、国税関係の帳簿や書類を電子データとして保存するための法律です。今まで国税関係帳簿書類は紙での保存が主流でした。

しかし、近年国際的に書類の電子化の流れが活発化しています。そのことを受けてできた法律です。この法律は年々改正が重ねられており、本年2020年10月にも大規模な改正が行われました。

国税関係帳簿書類ー例えば紙で作成された請求書や領収書を電子データとして保存したい場合、この電子帳簿保存法の要件をクリアする必要があります。入力期間の制限や適正事務処理要件の備付けなど要件は多々ありますが、その中の一つに「タイムスタンプの付与」が含まれています。

紙で受け取った請求書や領収書を電子データとして保存するためには、タイムスタンプを付すことが法律の要件で定められています。そのため、タイムスタンプは国税関連書類を電子化するときに活用されている技術なのです。

 

まとめ

タイムスタンプはその電子データがその時刻以前から存在し、そしてそれ以降改ざんされていないことを証明するための技術。電子契約や国税関係書類の電子化といった、ビジネスにおいて重要な書類を扱うシーンで活用されています。

電子帳簿保存法の改正に伴い、タイムスタンプの重要度は年々増していきます。「知らない」ではすまされないときがあなたの会社でもやってくるかもしれません。この機会にタイムスタンプの仕組みについて、理解を深めておきましょう。

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