テレワーク・ペーパーレス化の流れを受け、電子帳簿保存法に対応したソフトウェアが年々増えてきています。電子帳簿保存法に対応したソフトウェアを利用すると、自社の環境を整える手間がぐっと減らせ、時間や人件費の削減につながります。
今回はそんな電子帳簿保存法に対応したソフトウェアを紹介していきます。
電子帳簿保存法対応ソフトウェアとは?
まずはじめに電子帳簿保存対応ソフトウェアとはどんなものかについてみていきましょう。
電子帳簿保存法とは、従来紙での保存が義務付けられていた国税関係帳簿書類を電子データでも保存可能とするために作られた法律です。
下記(↓)で電子帳簿保存法の概要を解説しています。
電子帳簿保存法とは、今まで紙でしか保存することができなかった国税関係帳簿書類を電子データでも保存することができるようにするための法律。これからの日本のペーパーレス社会、テレワークの動きに対応するには、避けて通ることのできない法律です。 […]
国税関係帳簿書類を電子化して保存するためには、法律で義務付けられた要件をクリアしている必要があります。その要件の中には、タイムスタンプの付与や訂正・削除に関する履歴の保存、検索を容易にできるようにすることなど自社では対応が難しいものも含まれています。
それを解決してくれるのが、電子帳簿保存法に対応したソフトウェアです。主にクラウド上で利用されるものが多く、そのソフトウェア自体が電子帳簿保存法の要件を満たすように開発されています。
そちらを利用することで会社独自の対応をぐっと減らせ、効率的に国税関係帳簿書類の電子化を進めることができます。
電子帳簿保存法対応ソフト一覧
電子帳簿保存法に対応したソフトはさまざまあります。今回は種類別にソフトウェアを集めました。
1.会計ソフト
① freee(フリー)
クラウド会計ソフトとして有名なfreeeでは、領収書・請求書を電子帳簿保存法に対応した形式で保存することができます。
freeeは、クラウド上の会計ソフトに仕訳を計上し、決算書を作成したり確定申告を行ったりすることができるソフトウェアです。領収書や請求書は電子帳簿保存法に対応した形式で保存することができるようになっています。
認定事業者によるタイムスタンプ機能が提供されているため、スキャナ保存制度にも対応可能です。また、書類の検索性やバージョン管理も適切に行うことができるようになっています。
事務処理規程に適したユーザー管理を行う環境も提供されています。経理関係の書類の中でも特に数が多い領収書・請求書を電子化することで、経理担当者の紙処理にかかる時間をぐっと短縮させてくれるソフトウェアです。
ソフトウェア名:クラウド会計ソフトfreee
公式ホームページ:https://www.freee.co.jp/
② 弥生会計20
「会計ソフトと言ったらこれ」というくらい長年日本で親しまれている会計ソフトー弥生会計。こちらのソフトは、クラウド上で動くものではありません。パソコンにダウンロードして使用する形のソフトです。
弥生会計は、パソコン上にダウンロードした会計ソフトに仕訳を計上することのできるソフト。固定資産管理や予実管理を行うことができ、また法人・個人の決算書作成にも対応しています。
こちらのソフトウェアは公益社団法人日本文書情報マネジメント協会(JIIMA)による認証を受けています。そのため、電子帳簿保存法への対応はしっかり行われていることがわかります。安心して導入することができますね。
ソフトウェア名:弥生会計20
公式ホームページ:https://www.yayoi-kk.co.jp/products/account/index.html
③ TKC財務会計システム
TKCではJIIMAの認定を国内第1号として受けた会計ソフトが提供されています。「電子帳簿ソフト法的要件認証」を取得しているため、ペーパーレス化が可能です。
また、訂正・削除履歴の保存や相互関連性の確保、関係書類等の備付けも対応。経理業務の電子化において困る部分はほとんど網羅されたソフトウェアであると言えます。
TKCの財務会計システムは会社規模によってソフトウェアが異なっています。自社に合わせたシステムを選ぶようにしましょう。すべて電子帳簿保存法に対応しています。
小規模企業向け:e21まいスター
中小企業向け:FX2
中規模・中堅企業向け:FX4クラウド
上場企業向け:FX5
ソフトウェア名:TKC財務会計システム
公式ホームページ:https://www.tkc.jp/lp/ebooks_soft
2.経費精算システム
① マネーフォワードクラウド経費
家計簿アプリで知られるマネーフォワード。こちらでは経費精算のソフトウェアも提供されています。
こちらのソフトウェアは社員の経費精算をウェブ上で行うソフトウェア。レシートを写真にとってアプリ上で申請することで、承認から精算までの手続きを簡略化してくれます。
マネーフォワードクラウド経費では、スキャナ保存制度に対応した領収書・レシートの保存が可能です。スマートフォンで撮影したレシートにタイムスタンプを付与したり、バージョン管理や一括検証をしたりすることが可能となっています。
ソフトウェア名:マネーフォワードクラウド会計
公式ホームページ:https://biz.moneyforward.com/accounting
② Concur Expense(コンカーエクスペンス)
Concur Expenseは、経費精算・管理のためのソフトウェアです。経費精算に関わるさまざまなサービスとソフトとの連携が可能となっており、経費精算を手軽に行えるようにしてくれています。
このシステムと連携することのできるサービスには、路線検索やタクシーの配車、ホテルの手配などがあります。それらのシステムと連携し利用状況を経費精算システムに反映させることにより、面倒な入力や確認の時間を大幅に短縮してくれています。
Concur Expenseで経費精算をするときはスマホでレシートを撮影し証憑にすることができるスキャナ保存制度を利用することができます。
ソフトウェア名:Concur Expense
公式ホームページ:https://www.concur.co.jp/expense-management
③ 楽楽精算
CMでお馴染みの楽楽精算。交通系ICカードを利用した交通費の精算や領収書のスマホ撮影による経費精算を可能としてくれるソフトウェアです。
楽楽精算を利用して行われた経費精算は、各種会計ソフトへ連携するためのデータを生成することができます。そのため、会計ソフトの入れ替えなしで経費精算にかかる領収書・レシートのスキャナ保存制度への対応が可能。振込に必要な振込データの作成も可能となっているため、支払業務にかかる手間も減らすことができます。
ソフトウェア名:楽楽精算
公式ホームページ:https://www.rakurakuseisan.jp/
3.証憑書類のスキャナ保存ソフト
TKC証憑ストレージサービス(TDS)
TKC証憑ストレージサービスは、スキャナ保存制度に適応した証憑の保存を可能としてくれるシステムです。こちらのサービスを利用することで、今まで使用していた会計ソフトを入れ替えることなく、レシート・領収書の電子帳簿保存法への対応を実現してくれます。
使い方はいたってシンプル。まず始めに、今までと同様のシステム・方法にて仕訳の起票を社内ですませます。その後、その伝票情報と一緒にレシート・領収書をスキャンして電子化。電子化したデータをTDSにて読み込みます。そうすると、あとはTDS側でタイムスタンプの付与が行われる仕組みです。
この流れを採用することによって、会計ソフトの入れ替えをせずともスキャナ保存制度に対応することができます。
会計ソフトを入れ替えても構わない場合は、同じくTKCが提供しているFX5への切り替えがおすすめです。TDSに保存した画像データをFX5にて起票した仕訳伝票に紐づけることができ、仕訳と証憑の紐づけをさらに容易に行うことができます。
ソフトウェア名:TKC証憑ストレージサービス
公式ホームページ:https://www.tkc.jp/consolidate/tds
まとめ
電子帳簿保存法やスキャナ保存制度に対応したソフトウェアを利用することで、社内での紙の利用を減らすことができます。経理業務のテレワーク化の重要性が叫ばれる昨今、電子帳簿保存法の適用は経理部門にとって避けては通れない道です。
「そんなこと言われても自社では対応する時間やノウハウがない」そんなときにありがたいのが、電子帳簿保存対応済みのソフトウェアです。ソフトウェアを提供している事業会社によって電子帳簿保存法への対応が行われているため、自社内での検討や対応にかかる時間を大幅に減らすことができます。
手軽に経理を紙仕事から解放してくれる電子帳簿保存法対応ソフトウェア。各社のニーズに合わせたソフトがさまざま提供されていますので、比較検討の上自社のニーズにぴったりあったソフトを導入するようにしましょう。
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