- 1 目次
- 2 静岡トヨペット、現場社員が中心となり、RPA開発・運用。社員工数の1858時間を削減
- 3 三越伊勢丹ホールディングス、バックオフィス業務にRPA導入。想定年間削減効果は2000時間超
- 4 オープンハウス、AI・RPA導入で年間で2万5700時間の工数削減。社員のモチベーションも向上
- 5 富士通&川崎フロンターレ、RPA活用実験。チケット転売サイト定期巡回で、高額転売チケット、5分で発見
- 6 紹介済みの導入事例から、小売・販売業のRPA導入事例をピックアップしました。
- 6.1 マルエツ、交通費精算と会計システム入力にRPAを導入。自動化で工数を約9割削減
- 6.2 髙島屋京都店、AIチャットボットを活用し、店内案内サービスの提供を開始。多言語対応でインバウンド対応を自動化へ
- 6.3 西友、AIを活用し、弁当・惣菜の需要予測。自動発注システムを全国店舗に導入。廃棄ロスの削減効果
- 6.4 西友、RPA活用により、半年で年間2万時間分を効率化。対象業務を拡大し、年間10万時間の余力創出を目指す
- 6.5 イープラスが、RPA導入で業務効率化。社内で約200本のロボットが稼働。月間663時間分の業務を自動化
- 6.6 ミニ・ストップ、RPA化で拠点統合による業務パンクの危機を脱出。定常作業時間が月間2200時間から60時間へ
目次
静岡トヨペット、現場社員が中心となり、RPA開発・運用。社員工数の1858時間を削減
自動車販売会社の静岡トヨペットは、2018年6月から、RPA導入支援サービスを用いて、業務効率化に取り組んでいます。
同社は近年、クラウドサービスやペーパーレス化などIT技術の活用により、管理業務の効率化を実現してきましたが、この度、さらなる業務効率化を目指し、RPA導入および、先進IT技術の活用を目的とした人材育成を実施、社内にRPAを自社運用していくための開発チームを立ち上げました。
RPA開発チームは、株式会社・LTSから、人材育成など、社員による運用体制の基盤構築のための支援を受け、立ち上げ当初は共同で取り組みを進め、徐々に静岡トヨペットによる自社運用に移行してきました。
RPA開発チームのメンバーは、経理や人事など、RPA化対象業務部署の社員を中心に構成されており、業務を熟知する社員が保守・運用することによって、改修やトラブルなどの際、迅速な対応が可能となりました。使用するRPAツールは、WinActorです。
RPA導入の成果としては、対象業務に関わる社員工数の1858時間を削減するとともに、それにより創出された工数を更なる業務改善に投入できるようになりました。
参照元『ZDNet Japan』
三越伊勢丹ホールディングス、バックオフィス業務にRPA導入。想定年間削減効果は2000時間超
三越伊勢丹グループは、バックオフィス業務のRPA化に取り組んでいます。約1年にわたる実証実験を経て、2018年4月には専任チームも発足、本格的な導入が始まりました。
2017年4月、三越伊勢丹のシステム子会社・IMSがRPA導入を検討、同年5月に実証実験を開始します。実証実験では、グループ全社から、商品管理部門と持ち株会社の財務経理部門、IMSの人事労務部、の3つの部門を選び、商品管理部門では、レポート類の作成業務、財務経理部門では、手数料の算定業務、人事労務部門では、出退勤時刻とPCの起動終了時刻の乖離の集計業務を、それぞれ対象にロボット化しました。導入したRPAツールは、UiPathです。
2017年度下期に3部門の業務を深掘りする形で部分展開、3部門・7業務の対応を完了した時点で、想定される年間削減効果は、2000時間を超えました。
同社は、2018年4月に専任組織を編成し、RPAの本格導入を開始、開発済みロボットの保守を行うとともに、適用範囲を広げ、対象部門も、不動産事業部門、新規事業の定期宅配部門、商品戦略部門が加わりました。
同社は、これまでの知見をもとに、導入ガイドラインを作成し、ユーザの理解促進を図っていくとともに、今後、地方展開を進めるために啓蒙活動にも力を入れていく、としています。
参照元『UiPath』
オープンハウス、AI・RPA導入で年間で2万5700時間の工数削減。社員のモチベーションも向上
不動産会社のオープンハウスは、AI・RPAを導入、作業の効率化や社員のモチベーション向上などに成果を上げています。同社がAI・RPAを導入した目的として、工数削減とビジネス速度の向上のふたつが挙げられます。
具体的なRPA化対象業務としては、帯替え(物件案内の帯の差し替え作業)があります。帯替えは、作業自体は単純ですが、大量の物件となると非常に手間のかかる作業です。帯替え作業には、既存の物件案内図・4000データを使用し、ディープラーニングによる機械学習を活用しました。他にも、宅地の区割りや物件資料の取得にもAIやRPAを導入しています。
導入の成果としては、帯替え業務の完全自動化で年間2万時間の工数を削減するなど、AI・RPA技術を活用することで、年間2万5700時間の工数削減に成功しています。
物件資料の取得では、外回り中でも社内システムから物件の必要資料を取得できるようにしたため、仕入れを検討できる物件量が増えました。また、作業効率化で空いた時間の有効活用により、社員のモチベーションも向上しています。
同社は、今後、営業時に顧客に送るメール作成を自動化し、メールの開封率などに応じて最適解を見つけることが当面の目標である、としています。
参照元『Ledge.ai』
富士通&川崎フロンターレ、RPA活用実験。チケット転売サイト定期巡回で、高額転売チケット、5分で発見
富士通と川崎フロンターレは12月9日、RPAを活用し、ネット上で流通しているチケット情報を収集・分析し、定価以上で販売されているチケットを、約5分で発見する実験に成功したと発表しました。
実験は2019年7~9月に行われ、仕組みの有効性が確認できました。実験では、富士通のRPAパトロールロボットがチケット転売サイトを定期的に巡回し、販売されている川崎フロンターレのチケット情報を洗い出し、出品者IDや出品日時、出品名、画像、落札金額などを自動収集しました。その結果、定価以上で販売されていた約70~300件のチケットを約5分で一覧化することに成功した、ということです。
分析結果に基づき、転売サイトに掲載取り消しを依頼、購入者や出品者に対しても、チケットを無効化するなどの措置を講じました。
併せて、試合日から逆算して最も出品数が多い時期を把握し、SNSで不正転売防止に向けた啓蒙活動も行いました。
今後はチケットに限らず、サイン入りグッズ等も監視し、高額転売の防止などにもRPA活用を検討していく、としています。
参照元『AI+』