- 1 目次
- 2 みずほFG、帳票処理を自動化する「AORソリューション」を開発。実証実験で、手作業の事務処理、8割削減
- 3 きらやか銀行、働き方改革で、定例・定型業務にRPA導入。年間4449時間の削減効果を見込む
- 4 第四銀行、定型業務をRPAで自動化。1年半累計で、創出余力は約1万6,000時間。副次的効果も
- 5 GMOクリック証券、RPA活用で業務効率化。7分野の業務でロボットが稼働、毎月約170時間の時間創出効果
- 6 京葉銀行、失敗を糧に再度のRPA化チャレンジで、業務を効率化。累計2390時間分の作業の削減に成功
- 7 北陸銀行、RPA導入を加速、背景に従業員数の減少。導入後、目標を上まわる、年4万1000時間分の業務削減を達成
- 8 マネーフォワード、「ロボットに手伝ってもらう」発想でRPA導入。協働による活用で効果を実感
目次
みずほFG、帳票処理を自動化する「AORソリューション」を開発。実証実験で、手作業の事務処理、8割削減
みずほフィナンシャルグループ(以下、みずほFG)は、AIベンチャーらと共同で、手書き帳票を高精度にデータ化するシステム、AORソリューションを開発、実証実験に成功したと発表しました。
AORソリューションは、AI、OCR、RPAを組み合わせたシステムで、手書きの帳票や非定型帳票を読み込み、文字情報をデータ化した上で、銀行の口座データと照合して正否確認も行います。同ソリューションは、シグマクシスのドキュメント自動入力プラットフォーム「ディープシグマDPA」を基に開発されました。
みずほFGは、AORソリューションの導入により、従来は手作業を必要としていた、手書き帳票や非定型帳票などの事務処理業務を自動化することができ、業務効率の向上が見込める、とし、数カ月にわたって同グループ内部で行われた実証実験では、手作業による事務処理の8割削減に成功しました。
みずほFGでは、今後の展開として、AORソリューションを子会社のみずほ銀行に適用し、事務処理業務の効率化を図るともに、順次グループ内各社の同種業務にも導入を進める予定です。また、金融機関や事業法人向けサービスとして、事業化にも着手する、としています。
参照元『ITmediaエンタープライズ』
きらやか銀行、働き方改革で、定例・定型業務にRPA導入。年間4449時間の削減効果を見込む
きらやか銀行は、本部各部署における定例・定型業務にRPAを導入しています。2019年1月に試行を開始し、同年3月に本格稼働を開始しました。
RPA導入の背景には、働き方改革への取り組みがあります。同行は、2019年4月、「働き方改革推進部」を設置し、業務の削減・効率化に組織的に取り組んでいますが、この取り組みの一環としてRPAが導入されています。
RPAの対象となった業務は、集計業務や繰り返し業務など、定例・定型の21業務です。
例えば、預金照会業務では、同業務の手作業をRPAにより自動化していますが、これにより、他業務へ人員を振り向けることができ、効率的な人員配置が可能になっています。さらに、人的ミスが削減されることで、事務品質の向上につながりました。その結果、当業務だけで、年間3,240時間の削減効果を見込まれています。RPAツールは、NICE APA(Advanced Process Automation)を導入しています。
RPA導入の成果としては、導入した21業務の合計で、年間4449時間の削減効果が見込まれています。同行では、今後もRPA導入を継続的に推進することで、業務効率化により創出した時間や人員を活用し、さらなる顧客サービスの向上を図る、としています。
参照元『株式会社ITFOR』
第四銀行、定型業務をRPAで自動化。1年半累計で、創出余力は約1万6,000時間。副次的効果も
第四北陸フィナンシャルグループの第四銀行は、RPAを導入すべく、2017年4月~6月にかけてPoCを実施、同年8月にテスト運用を開始し、3カ月後に本番運用へ移行しました。
RPA導入の背景には、事務部門の生産性向上と業務効率化による余力創出を目的とする、構造改革の実現があります。そのためのツールのひとつとして選択されたのがRPAでした。
同行では、複数の現場にまたがる業務が多い、という業務上の特徴があったため、RPA開発室がロボットの開発・運用を集中管理しています。
自動化された業務は、投資性金融商品の販売状況をモニタリングするための基礎データの取得作業や、事務集中部署における契約申込者の情報照会作業などで、52業務で275ロボットが稼働しています。ロボットの、部品化、ひな形、を充実させたことで、開発速度も加速しました。導入したRPAソフトは、BizRobo!です。
導入成果としては、テスト段階から1年半の累計で、約1万6,000時間の余力が創出されました。また、RPA化の過程の業務検証が、ロボット化を伴わない工程の見直しや、無駄な業務そのものの廃止につながるなど、副次的な効果も表れています。
参照元『事例で学ぶRPA 基本から導入、運用までのロードマップ』
GMOクリック証券、RPA活用で業務効率化。7分野の業務でロボットが稼働、毎月約170時間の時間創出効果
GMOクリック証券(以下、GMO)では、RPAを導入・活用し、既存業務の効率化・高度化を図っています。
RPA導入の背景には、業務改革プロジェクトにおける個別業務の見直しがあります。同プロジェクトで、各部署へのヒアリングをベースに、個別業務の分析をしたところ、負荷の原因となっている業務の多くが、端末に依存した反復・継続作業だと判明、この課題の解決方法を模索した結果、着目したのがRPAでした。
導入から2年を経た段階で、大きく分けて、財務、人事総務、情報システム、コンプライアンス、証券業務、経営企画、顧客問い合わせ・FAQアクセス分析のための集計作業、など7分野の業務でRPAが活用されています。
同社では、継続的な業務改善の風土を根付かせる基盤として、RPAを導入・活用し、さらにはRPAという共通項で、社員の自発的な思考・行動を促しています。導入したRPAソフトは、BizRobo!です。
導入の成果としては、2019年2月の時点で、毎月約170時間の時間創出という効果が表れています。GMOは、今後も全社的に引き続きRPAを推進、業務効率化で生まれた時間を、さらなる「人間成長」に繋げるために使っていきたい、としています。
参照元『事例で学ぶRPA 基本から導入、運用までのロードマップ』
京葉銀行、失敗を糧に再度のRPA化チャレンジで、業務を効率化。累計2390時間分の作業の削減に成功
京葉銀行は、2018年1月より、外貨両替データの変換作業など9業務において、RPA導入のPоCを実施し、年換算565時間分の作業削減に成功、その結果を受けて、RPAを本格稼働させています。
同行は、2017年の夏、非生産的な定型業務の効率化を図るため、一度RPAを導入、効果検証を行いましたが、この時は準備不足で失敗しました。その後、失敗を教訓として、しっかりと準備を整え、再チャレンジを行い、現在のRPA活用に繋げています。
具体的なRPA導入事例のひとつとしては、住宅ローンの受付業務があります。これは、インターネットで申し込まれた住宅ローンの仮申請データの入力を自動化したものです。
これまでは、行員が手作業で入力を行い、1件当たり約1時間の作業時間を要していましたが、RPA化で処理速度が上がり、年間267時間分の作業が削減できました。導入したRPAツールは、WinActorです。
RPA導入の成果としては、2018年10月までに、累計2390時間分の作業の削減に成功、さらに18000時間分の作業時間の削減を目指しています。また、業務が効率化された分のマンパワーを、より生産性の高い業務に割り振り、人材を最大限に活用する、としています。
参照元『RPAホワイトカラー革命(日経ムック)』
北陸銀行、RPA導入を加速、背景に従業員数の減少。導入後、目標を上まわる、年4万1000時間分の業務削減を達成
北陸銀行は、定型業務を自動化するRPAの活用を加速、営業店を中心に導入先を広げ、省力化で少ない人数でも、これまでと同等以上のサービスが提供できる体制作りを急いでいます。
RPAの活用を急ぐ背景にあるのが、減少傾向にある 従業員数の問題です。この問題も含め、働き方改革で残業時間も抑制されるなか、従来と同等以上のサービスを提供するためにも、RPAをはじめとした効率化策の重要性は高まっていました。
RPAの導入事例としては、住宅ローン金利再設定時の延滞有無情報や適用利率算出表の作成、口座開設アプリの申し込み情報を人別・書類別に印刷、カードローン期限到達先を抽出・対象先向けの案内文作成、などの業務への活用が挙げられます。
同行では、2018年3月のRPA導入以来、既に当初の目標である2万3000時間を上まわる、年4万1000時間分の業務削減を達成、導入先の業務は40を超えました。
さらに、年内をメドに手数料引き落とし予定明細照会業務に取り入れ、ダイレクトメールなどが顧客に届かなかった場合の送付住所と登録住所の確認などにも導入していきます。
この一連の取り組みで、年1万時間分の業務削減を上乗せし、20年3月末時点の業務削減量を年5万1000時間分にまで拡大する狙いである、としています。
参照元『日本経済新聞(20191016)』
マネーフォワード、「ロボットに手伝ってもらう」発想でRPA導入。協働による活用で効果を実感
マネーフォワードは、「ロボットに一緒に働いてもらう」という発想のもとにRPAを導入、業務の効率化を図っています。
同社がRPAを導入した背景には、事業フェーズの拡大に伴う、業務の「属人化の解消と効率化」という2つに課題の解決がありました。この課題解決の最適解として浮上したのが、RPA導入による、人とロボットの協働でした。
ロボットとの協働事例としては、財務・経理領域の入金消込の作業があります。この作業のフロー(流れ)の中で、最も手間がかかり、かつ単純作業のため、人の心理的負担も大きかった、「突合」作業をRPA化し、「ロボットに手伝ってもらう」ことにしました。
作業フローのうちの1つだけをRPA化する、というのは、小さな事のようですが、これには、ロボットの作成が短時間で済み、翌月には早速ロボットの力が実感できるという点で大きな効果がありました。
同社では今後、十分な数までロボットの生産を続けることで業務の余裕を作り、人にしかできない、より付加価値を生む業務へとシフトしていきたい、としています。
参照元『事例で学ぶRPA 基本から導入、運用までのロードマップ』
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