BPRとは、Business Process Re-engineering(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の略称で、ビジネス・プロセスを全面的に見直し再設計すること、企業の活動や業務全体を抜本的に検討し再構築すること、を意味します。
1993年にマイケル・ハマー(元マサチューセッツ工科大学教授)とジェイムス・チャンピーが発表した、『リ・エンジニアリング革命』によって、世界的に広まった考え方です。
BPRでは、売上や収益、あるいは市場に則した顧客価値の創造などの目標達成のため、企業におけるすべての活動や体制を、ビジネスプロセス再設計の観点から、抜本的に刷新します。
これにより、目的の達成とは無関係の業務や無駄な部門や作業などは削られ、効率化が図られます。その実行に際しては、ゼロベースの思考、ITの積極的活用、担当者への権限委譲、などが特徴として挙げられます。
高度に専門化された分業型組織は、往々にして、各組織が自らの責任を果たすことを最優先し、その結果、全体として様々な非効率が発生します。こういった状況の抜本的な見直しが、BPRが提唱される背景にあります。
BPRの概念は、業務改善と混同されることがありますが、BPRと単なる業務改善ではそのアプローチの仕方は大きく異なります。
一般に業務改善とは、コスト削減、作業手順の見直し、あるいはアウトソーシングの活用など、作業の効率化や質の向上を図り、業務内容をより良くしていくことです。
それに対し、BPRは、単なる業務内容の改善に止まらず、企業目標達成のために、現存のルールを見直し、ビジネスのプロセス自体を根本から再構築する、ということが目的となります。