- 1 モランボン、365日対応の受注業務をRPAツールで自動化。マンパワー不足への体制を整える
- 2 KDDIエボルバ、iOS、Androidのスマホキッティング作業にRPA導入。最大99%の作業工数を削減
- 3 JFEスチール、RPA化で定型作業時間が約4分の1に。「労働の質の向上」を通じ、ワークスタイル変革を推進
- 4 マルコメ株式会社がRPAの活用でルーティン業務を効率化。20分の作業を5分に短縮、対応時間を70%削減
- 5 キリンビール、国内9工場でRPAを本格導入。就労1万時間削減目指す
- 6 マックス株式会社、メール処理などの自動化を実現。8時間の作業が50分に短縮、工数を最大90%削減
- 7 デンカ青海工場、工場内プラントの運転管理にRPAを導入、落雷情報の警告で被害を未然防止
- 8 ユニ・チャーム九州工場、機械の保守・点検にRPAを活用。AIが情報学習し、不具合を警告、対処法表示
- 9 リコー、「RPAによる全員参加型の社内デジタル革命」で業務自動化。年間16000時間の工数削減を試算
- 10 横河電機、RPAによる業務自動化で定型オペレーションの作業時間、8割削減に成功
モランボン、365日対応の受注業務をRPAツールで自動化。マンパワー不足への体制を整える
焼肉のたれでおなじみの食品メーカー・モランボンは、RPAを活用し、Webからの受注データのダウンロード作業を自動化、365日、ソフトウェアロボットにWeb受注業務を任せられる体制を整えました。
モランボンでは、従来、Webからの受注処理を手作業で行っていましたが、取引拡大に伴う作業増により予想される、マンパワー不足への対応体制を整えるために、RPAの導入に踏み切りました。
RPAの導入により、約100受信のウェブ受注処理の自動化を計画しており、2019年9月現在、約16受信を自動化しています。導入したRPAツールは「Autoブラウザ名人」です。
同社は、今後、月に2受信は自動化できるよう、開発体制を強化する計画で、また、将来的には、データセンターでの運用も検討している、としています。
さらに、人事や総務、経理部門、マーケティングの分野でも対象業務をリストアップし、自動化を進める計画である、とのことです。
参照元『PR TIMES』
KDDIエボルバ、iOS、Androidのスマホキッティング作業にRPA導入。最大99%の作業工数を削減
KDDIエボルバは2019年9月、西日本と東日本の物流センターで受託する、スマートフォンなどのキッティング(初期設定)作業にRPAを導入、自動化した、と発表しました。iOSのキッティング自動化は世界初、Androidは業界初となります。
導入の背景には、フィーチャーフォン生産終了を機としたスマートフォンのキッティング業務の受託案件・台数の増加や端末の多様化による作業の複雑化で工数が増えたこと、また、採用難や繁閑差のあるセンターの状況、などの課題の解決があります。
実施内容は、西日本物流センターで実用化後、東日本物流センターにもRPAを導入し、自動キッティングを拡大、Android版キッティングRPAの業務全体で平均78%を自動化。iOS版キッティングRPAでは業務全体で平均33%を自動化しました。
導入後の成果として、Android版キッティングRPAで最大約99%の工数を削減、受託案件全体では6カ月で平均64%の工数を削減しました。
Android版、iOS版の運用により、6カ月間で作業全体の50%に相当する2885時間の工数を削減し、納期短縮、ミス率0.002%という高品質化を実現、顧客満足度の向上へもつなげました。また、今後は、紙伝票をシステム登録する業務の自動化や、キッティングRPAのリビジョンアップで更なる効率化に取組んでいく、としています。
参照元『マイナビニュース』
JFEスチール、RPA化で定型作業時間が約4分の1に。「労働の質の向上」を通じ、ワークスタイル変革を推進
JFEスチール株式会社は、定型的な作業にRPAを活用し、業務の効率化を実現しています。RPA化推進の背景には、ワークスタイル変革への取り組みがあります。定型作業をRPA化して労働の質を更に高めることで、会社としての競争力の向上と社員のより良いワークライフバランスの実現を目指す、というものです。
RPA化した業務は、海外総務部門における、「拠点経費の収集」で毎月発生する経費処理、「拠点予算のとりまとめ」で年2回発生する、拠点の予算の集計処理です。
どちらの処理も定型作業ですが、かなり煩雑な作業で、さらに決算期間中の限られた時間の中での対応が必要でした。導入されたRPAツールはUiPathです。
導入効果としては、約2,400時間掛かっていた定型作業が約1/4の600時間に削減され、削減時間を他の業務に充てられるようになりました。
また、作業のミスがなくなったこと、作業の精神的な重圧から解放されたことも、大きなメリットです。
今後は、海外総務部門での実績や経験を踏まえて、全社的にRPA化を推進したいと考え、社内報などを通じて候補となる業務の募集を呼び掛けている、とのことです。
参照元『JFEシステムズ株式会社-導入事例』
マルコメ株式会社がRPAの活用でルーティン業務を効率化。20分の作業を5分に短縮、対応時間を70%削減
味噌大手の食品メーカー・マルコメ株式会社(以下、マルコメ)は、RPAを活用し、ルーティン業務を自動化、作業の効率化を図っています。
RPA化の背景には、50社以上ある各卸先のPOSデータ収集作業に、多大な時間を要しており、この作業の負担軽減が課題となっていたことがあります。
卸先企業約50社ごとに存在するPOSデータ・ダウンロード・サイトへアクセスし、条件を設定した上でデータを取得する作業にRPAを活用、自動化しました。
導入したRPAソリューションは、「SynchRoid」です。マルコメは、RPAの導入経験がなく、ロボットの作成に不安がありましたが、提供元のソフトバンクからの開発サポートもあり、スムーズに作成できました。
導入効果としては、1社約20分かかっていたデータ収集作業を、自動化により1社約5分に短縮、対応時間が約70%削減されました。
今後はPOSデータの収集に留まらず、データの集計など自動化できる業務で積極的に活用し、さらなる効率化を目指す、としています。
参照元『ソフトバンク』
キリンビール、国内9工場でRPAを本格導入。就労1万時間削減目指す
キリンビールは国内9工場でRPAの本格導入を始めました。購買業務や労務管理、設備保全といった社内システムへの登録とダウンロードなどの作業をRPAに置き換えます。導入の背景には、キリン国内グループ各社で2021年に労働時間削減で9万時間を目指していることがあります。
名古屋工場で先行して8案件を導入し、これらを全国各工場に水平展開します。名古屋工場の購買業務では注文から見積もり依頼、承認までをRPAで対応し、残業集計から分析・グラフ化する労務管理作業も置き換えます。
また、設備の費用管理や故障履歴の登録にも対応し、製造計画を基にした中間製品の帳票なども自動的にダウンロードします。このほか、分析データ確認やエネルギー月報など、8種の業務をRPA化しました。
キリンは導入効果が想定以上に上がっているとして、今後は必要に応じて全国各工場に展開、購買システムは全工場に、労務管理システムは3工場で、設備保全システムは4工場で導入する計画です。
2020年第3四半期までに導入を完了させる意向で、全工場の労働時間で導入前に比べて年間ベースで1万時間の削減を目指します。
参照元『ニューススイッチ(日刊工業新聞)』
マックス株式会社、メール処理などの自動化を実現。8時間の作業が50分に短縮、工数を最大90%削減
ホッチキスでお馴染のツールメーカー・マックス株式会社は、完全自動化のコンセプトのもと、メールEDIシステムの構築をスタートさせています。
システム構築の背景には、メール処理の効率化があります。従来のメール処理は、人海戦術で、業務処理の工数が多く、この問題の解決が課題となっていました。
メールEDIシステムの構築によって、取引の受注から発注までの一連のプロセスや海外倉庫の入庫・出庫・在庫管理などの自動化が実現されました。導入したツールは「ASTERIA WARP」です。
導入効果については、25時間かけていた手作業の伝票入力が自動化によって確認作業だけで済むようになったり、検収データと側請データの突合作業では、あるケースでは従来8時間ほど要していた作業が50分に短縮され、最大90%も工数を削減できました。
さらにSTERIA WARPで修理見積書をPDF化し、セキュリティの強化・整備も推進しています。
また、メールEDIのほかにも人事システムのデータ取り込みなども自動化していますが、これも手作業で2時間かかっていた作業を10分程度まで短縮できています。
同社は、今後も引き続き、現状システムの拡張を視野に入れ、全般的にメールEDIを進めていく方向です。
参照元『ASTERIA』
デンカ青海工場、工場内プラントの運転管理にRPAを導入、落雷情報の警告で被害を未然防止
新潟県糸魚川市のデンカ青海工場では、工場内でRPAをプラントの運転管理に活用しています。同社は2018年度から5カ年の経営計画を実行中で、生産や業務におけるプロセス改革に取り組んでおり、RPAの導入もその一環です。
同工場の立地場所は、雲が湧きやすく、雷雲も時折発生します。もし送電設備に落雷すれば、生産がストップする恐れがあります。従来、同工場では、落雷情報が出ると、工場スタッフが30分に一度、気象庁のホームページを確認、落雷の危険が高まれば、手作業で警告音が発し、被害を未然に防ぐ対策をとっていましたが、その作業にRPAを導入しました。
RPAの運用から1年半を経て、人手で落雷の警告を実施していたときに比べ、確認漏れが一切なくなる、などの効果が実感されています。
一方で、基幹ソフトウエアと連携する場合、うまくやらないと、誤った結果が発生する危険がある、という課題があることも分かりました。
同社では、今後、製造成績や経費使用実績などの集計値転記作業をRPAで自動化し、業務生産性のさらなる向上にもつなげていきたい、としています。
参照元『日刊工業新聞』
ユニ・チャーム九州工場、機械の保守・点検にRPAを活用。AIが情報学習し、不具合を警告、対処法表示
ユニ・チャーム九州工場では、紙おむつ製造ラインの機械の保守・点検にRPAを活用しようとしています。
同工場では、いままで機械の不具合を人間の五感で判断してきましたが、ここにRPAを導入しました。
日報の情報をAIに学習させ、機械に搭載、不具合があれば、経験則上、最善の行動を表示する、という方法で、具体的には、機械の不具合をAIが判断すると、アラート音が鳴ると同時に対処法を表示、問題が起きる前に対処する仕組みです。
人によってまちまちだった、機械の不具合に対する判断と対処法を標準化し、AIに学習させることで、いままで、記録として残すだけだった、日報の情報の有効活用にもつながります。現在は、起きうる問題と対処法をAIに学習させている段階で、完成次第、正式導入する計画です。
AIの搭載で、機械自身が不具合を判断し、対処法を表示するシステムは、九州工場で技術を確立し、紙おむつ工場以外の、他の製造拠点にも導入する予定です。
参照元『日刊工業新聞』
リコー、「RPAによる全員参加型の社内デジタル革命」で業務自動化。年間16000時間の工数削減を試算
株式会社リコーは、2018年2月にRPAプロジェクトの準備を開始、同年4月にはCoE(組織横断的部署・研究拠点)の体制を整え、展開をスタートさせています。
同社は、2017年、中期経営計画を発表、その基本方針に沿った、業務プロセス改革と現場の課題解決力の強化のためのアプローチとして「RPAによる全員参加型の社内デジタル革命」が掲げられました。
CoEは、RPAツールにUiPathを選定、自動化プロセスを開発するクリエイター教育を開始します。さらに情報提供や、トレーニングコンテンツなどによる継続的な展開を進めるための工夫が行われ、加えて、社内の教育体制の充実により、最短1週間程度で新規展開が可能になりました。
RPA導入の効果として、約1年間で国内外23社に展開され、国内だけで60プロセスに適用、すでに年間16000時間の工数削減が試算されています。
さらに、製品化に必要な試験の自動化を実現、他にも、IoTと組み合わせ、実験プロセスの自動化にも取り組んでいます。
同社は、今後、社内に向けて、Eラーニングを利用するなど、広範なRPA学習の機会を提供、社内認定制度も拡充させ、さらなる進化を目指す、としています。また、適用範囲の拡大に対応して自社開発ツールを活用するなど、UiPathの独自運用も進めています。
参照元『UiPath』
横河電機、RPAによる業務自動化で定型オペレーションの作業時間、8割削減に成功
横河電機株式会社は、RPAの導入により、対象業務を自動化、作業時間の大幅削減を実現しました。
近年、同社では、オペレーション作業の人手不足が課題となっており、また、中期経営計画の重点項目のひとつとして「高効率グローバル企業への変革」を掲げていることもあって、それらへの具体的施策・解決策して、RPAの導入を決めました
同社は、2016年10月にRPA導入の検討チームを立ち上げ、同年11月には、RPAソリューションとして、Automation Anywhereを選定、トライアルを開始しました。
RPA導入の対象業務として、本社およびグループ会社のコーポレート部門で、ERPを中心に、Excel、メール等を連携させ、約60分を要していた複雑な作業など、2つが選定されました。
2017年5月から、現行の操作手順の可視化、RPAへの最適化がスタート、同年7月から本番稼働を開始しました
RPAを導入した2部門での成果については、1回60分かかっていた作業時間を8割削減でき、また、手順ミスのストレスから解放されたことも歓迎されています。
さらに、副次的な効果として、作業プロセスの可視化を通じ、ムダな手順を排除できました。今後は、BIツールによる売上レポート出力などへと、自動対象業務を拡大・高度化していくことを検討している、としています。
参照元『TIS』
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