デジタルレイバーとは何か?

近年、パソコンやタブレットなどのデジタル機器を採り入れて業務を行う会社が増加しています。その中には、さらなる業務効率化を求めてRPAやAI(人工知能)のようなロボットを導入する企業も現れました。そういったロボットは、デジタルレイバーと呼ばれています。

今回はRPAと関わりの深いデジタルレイバーについて、解説していきたいと思います。

デジタルレイバーとは

「デジタルレイバー(Digital Labor、仮想的な知的労働者)」とは、RPAやAI(人工知能)を利用して、人間が行なっている事務的作業などの定型業務をパソコン上で代行するコンピューターソフトウェアです。

例えば人は、文書作成ソフトを使うことで、様々な種類の書類を作成できます。その際、「挨拶状はWord、プレゼン資料はPowerPoint、表計算はExcel」と作成したい書類に応じて人間が意識的にソフトを使い分けます。ところが単なるロボットだと、書類ごとにソフトを使い分けるという考え方がありません。

一方デジタルレイバーは、マニュアルや業務手順を予め設定することで、「マニュアル通りにこの書類を作っておいて」「請求書を発行しておいて」と、まるで人が人に依頼するように「頼む」ことができます。デジタルレイバーを導入することは、「新たに雇い入れたロボットの部下にマニュアルを渡し、お願いしたい業務を一つひとつ教え、覚えてもらって、徐々に自分の業務を肩代わりしてもらう」イメージと思っていいでしょう。

デジタルレイバーとRPA

デジタルレイバーという言葉の意味を調べていると、RPAとセットで語られていることが多いので、むしろRPAの方をご存じの方も多いかもしれません。RPAとは“Robotic Process Automation”の略で、「主にホワイトカラーの企業の業務において、デジタル技術を活用し、効率化と生産性の向上を図ること」を指します。

RPAは、人間が行う知的作業の一部を確実に処理できるロボットを設計、構築、運用していく取り組みであると言い換えることもできるでしょう。RPAの適用範囲によって構成は異なりますが、サーバーやパソコン1台に対し、複数のロボットで構成するのが一般的です。

デジタルレイバーの特徴

デジタルレイバーのメリットとデメリットを簡単に表にまとめました。

メリット

デメリット

24 時間稼働 ・設計コストがかかる
・文句を言わない、言い返さない ・業務を間違えて設計すると間違えたまま
・辞めない、採用不要 ・業務変更などに弱い
・感情フォロー不要 ・人間が判断基準を設定する必要がある
・低時給・福利厚生不要 ・メンテナンス必要

デジタルレイバーのいいところは24時間365日、不眠不休で働き続けられること。人間が教えたことは間違いなく実行する他、根気のいる入力作業も文句を言わずこなし、人間同士の職場では必ずと言っていいほど求められる「会話」も要りません。デジタルレイバーを導入すると、人間を単純作業から解放してくれるだけでなく、人間だから起こしてしまう入力ミスも回避できます。

また、Webサイトや社内システムなどから収集した必要な情報を、表やグラフにまとめて分析・判断しやすいように加工するといった、様々な情報処理の中間作業を代行してくれます。

一方で、デジタルレイバーは人間のように選択肢から選んだり判断したりすることはできません。定期的にメンテナンスも必要で、業務内容の変更に対応するためには人間が要件を再定義する必要があります。

もうひとりの「社員」としての存在感

RPAは、教えられていないことが出てきて判断に迷うと停止してしまいますが、基本的には人が行う業務を代行してくれます。デジタルレイバー(仮想知的労働者)に社員番号を発行したある会社では、RPAに名前をつけています。つまり、人間から独立して業務を行うのでも、システムのように一線を画したツールでもなく、人間と仕事を分担して業務を進める「仲間」であり、まるで隣の席にいて一緒に仕事をしているかのような存在なのです。

実は万能ではないデジタルレイバー

デジタルレイバーといえども、個々にそれぞれできることできないことがあるため、実は万能ではありません。人間が人間に仕事を依頼するとき同様、デジタルレイバーの特徴をよく理解して仕事を頼まないといけません。そのため、人間が間違ったことを教えたら、デジタルレイバーはずっと間違え続けてしまいます。

「高校や大学を卒業したばかりの新入社員に、イチから仕事を教えよう」という意識で育てていけば、デジタルレイバーは会社にとって、もうひとりの社員として重要な戦力になってくれることは間違いありません。これからの社会人は「RPAリテラシー」を持ち、デジタルレイバーを適切に管理するための知識が必須となるでしょう。

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