内部環境分析とは、内部環境=経営資源の分析を行い、自社の強みと弱みを明らかにしていく手法です。自社のリソースを検討し、競合他社より「勝っている」のか、「劣っている」のかを分析し、経営戦略の指針とします。代表的なフレームワークとしては、SWOT分析があります。
内部環境分析を行う際には、分析対象となる項目の設定と、どのような視点・角度から分析を行うか、ということが重要になります。
分析対象となる項目については、企業によって、あるいはそのとき企業が置かれている状況によって適宜、設定する必要がありますが、主に、製品やサービス、販売力、マーケティング力、経営能力、技術力、人材、財務力、資産、設備、生産体制、企業風土、立地、物流、価格競争力等々が分析対象となります。
どのような視点・角度から分析を行うか、については、概ね、経営戦略上の要請、マーケティング、財務、目的に適した人材の有無、生産力等といったところが一般的です。
内部環境分析は、自社の強みと弱みを明らかにしていく手法ですが、固定観念にとらわれず、強みが弱みに、また弱みに強みになりえる、ということにも注目していきます。
効率的だと思っていた生産設備が場合によっては小回りの利かない設備だったり、不便だと思っていた立地が大規模な物流センターの建設に適していたり、などという例は実際にあります。
また、すでに保有している、技術、人材、ノウハウなどの再検討も大切です。化学メーカーが自社の持つミクロの技術に着目し、化粧品や健康分野に進出し成功した例は、市場ニーズを捉え、自社の保有資産をうまく活用した好例ですね。
内部環境分析を行う際は、自社の強み弱みを挙げると同時に、競合他社複数の強み・弱みも列挙しますが、その際に気を付けたいことがあります。
競合他社の強み・弱みについては、客観的に列挙できても、自社の強み・弱みについては、客観的視点を失い、強みは過剰に、弱みは過少に評価してしまうことがしばしばあります。また、自社のことですから細かい情報がありすぎて、的外れな分析結果になることにもあります。
内部環境分析は、「自分たちのことを知る」作業です。自社の長所や弱点、その能力のレベルを冷静に客観的に点検し、競争相手と比較して、優位を保てるのかどうかを検討したいものです。