外部環境分析とは、企業を取り巻く様々な外部の要因・状況に対し、適切な経営戦略を立案していくための分析手法です。分析対象となる外部環境は、主に「マクロ環境」「市場環境」「競争環境」の3つに分類されます。
マクロ的な要因を分析することによって、社会構造の変化に対し、企業として必要な対応をとることができます。
法改正等の政治的要因や経済成長率・景気動向などの大きな経済的動き、社会の意識変化、流行などの社会的な要因、ITやバイオテクノロジーによるイノベーション、といったものに、適切に対応した経営施策を打ち出せます。
それらに加えて、近年は世界的な課題となっている環境的な要因にも配慮した対策も必要となりますね。
市場的な要因を分析することによって、経営資源の効果的な配分を図ることができます。
国内的・国際的な成長市場へ経営資源を効率的に配分したり、社会構造の変化などにより縮小する市場や過当競争の市場からの撤退等を検討します。
競争的な要因を分析することによって、市場での戦略を探ります。ライバル企業の市場占有率や競合商品の競争力を検討し、投資分野やターゲットとなる購買層を絞り込んだり、あるいは競合相手が強大な場合は、市場からの撤退・その市場での事業縮小を視野に入れることもあり得ます。
外部環境分析の手法としては、マクロ環境を分析する際に用いるPEST分析や5つの競争要因から業界環境を分析する5フォース分析等々、有効なフレームワークがいくつか存在します。
企業経営は、自社を取り巻く環境によって、その方針に大きな影響を受けます。しかし、自社を取り巻く環境、すなわち外部環境は、自らコントロールすることは困難ですから、所与のものとして、外部環境を適切に分析し、経営戦略の立案や企業のとしての意思決定を行うことが肝要となりますね。