会計の基礎知識。貸借対照表に記載される項目は?

昔は手書きで、2人以上の社員と数字を突き合わせながら作成していた貸借対照表。最近ではクラウド会計サービスに帳簿をつけていれば、そこから自動的に作成してくれます。

貸借対照表は、「会社のお金を何に使ったのか、またはどこから入ってきたのかを、いつ誰が見ても分かるように、お金の動き一つひとつに見出しを付けて記録すること」を目的として作成されます。法律に基づいて作成及び会社内外に公開が義務付けられています。

今回は、「貸借対照表」を読み解くために必要な基本構成を見ていきましょう。

貸借対照表

貸借対照表は、会社がどんな財産をどのくらい持っているのか、債務をどのくらい負っているのか、財産はいくらなのかが載っている表です。決算日時点における「資産」と「負債」、「資本」といった、会社の全ての経済活動の成果を表しています。

資産

貸借対照表の左側に記されている「資産」は、「銀行や株主から集めた資金が、期末時点でどんな形態になっているのか」を表し、その会社が決算日時点において、どれだけの財産を持っているかを示しています。また、会社が持っている財産や、会社が利益を得るために利用できる権利、つまり現金・預金と将来お金が増えるプラスの財産もこれに該当します。

ここで押さえておきたいのが、「流動資産」と「固定資産」という区分です。1年以内の現金化が予定されている流動資産と、1年を超えて現金化される、もしくはすぐに現金化できない固定資産に分けられます。具体的な細目は以下の通りです。

流動資産:1年以内に現金になるもの
例)現金・預金、受取手形、売掛金、有価証券、商品、製品、仕掛品、原材料、未収金
固定資産:1年超かかって現金になるもの
例)建物、構築物、機械装置、工具器具備品、車両運搬具、土地、建設仮勘定、リース資産、のれん、ソフトウェア、投資有価証券、敷金

資産の反対の右側には、株主以外の他人から調達した「負債」と、銀行や会社の持ち主である株主から調達した「純資産」の合計が記されています。

負債

「負債」とは、将来お金が減るマイナスの財産で、銀行からの借り入れなど、返済義務のある借金や支払い義務のある債務です。資産同様、「流動」「固定」に区分けがされます。従って、同じ借入金でも返済期日が1年以内のものは流動負債に、返済期日が1年を超えるものは固定負債にそれぞれ分けられます。具体的な細目は以下の通りです。

流動負債:1年以内に支払わなければならない債務
例) 支払手形、買掛金、未払金、短期借入金、前受金、未払法人税等
固定負債:支払期限が1年超の債務
例) 長期借入金、社債、退職給付引当金

純資産

「純資産」とは、プラスの財産(資産)とマイナスの財産(負債)を差し引いた、会社の正味の財産です。主に、株主からの出資で構成されています。大きく3つに分けられ、以下の内訳になっています。

資本金:株主からの出資金
資本剰余金:株主からの出資のうち、資本金以外のお金
利益剰余金:稼いだ利益が累積されたもの=損益計算書の当期純利益(マイナスの場合は当期純損失)が累積されたもの

資本金と資本剰余金は、どちらも株主からいくら出資してもらったかを表すものです。対して利益剰余金は、自社で稼いだ利益が累積された結果であるため、同じ純資産のカテゴリにあるものの、性質は大きく異なります。

貸借対照表を「バランスシート」ともいう理由

銀行や株主から借りたお金は全て資産となるため、左側の資産合計と右側の負債・資本合計は、必ず一致します。右と左が釣り合うことから貸借対照表を「バランスシート」(Balance Sheet)、略して「B/S」(ビーエス)と言います。

負債と純資産とを分ける理由

一般的に、負債と純資産は「会社の運転資金の調達方法」を表し、資産は「会社の運転資金の運用形態」を表しているといわれます。同じ「会社の運転資金の調達方法」であるにもかかわらず、負債と純資産とで分けているのは、返済義務の有無という明確な違いがあるからです。負債は返済義務があるのに対して、純資産は返済義務がありません。

貸借対照表から分かること

貸借対照表が、財産の一覧と資金の調達方法を表すと理解できても、そこから何を読み取ればいいのかがわからなければ、使いようがありません。では、貸借対照表からは、どんなことが分かるのでしょうか。

会社の安全性

安全性とは、「うちの会社と取引しても安全である」、もっと簡単に言えば「倒産する危険性」を表しています。左右の表を見比べたとき、資金調達と返済のサイクルがどの程度上手く回っているかが分かります。会社の経済活動の健康状態が見えると言っても過言ではないでしょう。

◆なぜ会社は倒産するのか?◆

会社が利益を出している状態を「黒字」、損失を出している状態を「赤字」といいます。実は、会社は赤字になったから倒産するわけではなく、「黒字倒産」という言葉があるように、利益を出しているのに倒産する会社もあるのです。つまり会社の倒産とは、返済を約束していたお金を返せなくなった状態を指します。

お金の調達元と使いみち

貸借対照表の右側には、負債の部・純資産の部があります。こちらは資金の調達元、調達源泉ともいうべきものです。一方、左側に記載されている資産の部からは、調達した資金の運用形態、お金の使いみちが載っています。

現金化しやすいものが上

貸借対照表は、左側の資産の部にしても右側の負債の部にしても「現金化しやすいものが上にくる」という表示上のルールがあります。
「資産」の段落でもお話ししたとおり、資産の部は現金から始まり、普通預金や定期預金、売掛金といった流動資産、固定資産……と続きます。流動資産はすぐに現金化できますが、固定資産はすぐには現金化しにくいものです。現金化しやすいことを、「流動性が高い」と言います。右の負債の部も同じです。上に行けばいくほど、現金化しやすいものが並んでいます。

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