リーダーのためのレジリエンス入門!ストレスに強い人の特徴

ストレス要因の多い社会。この時代に求められているのは、カリスマや強権型のリーダーではなく、地味でも打たれ強い「レジリエンスリーダー」と言われています。

数年前からメディアでも取り上げられるこの「レジリエンス」という言葉は逆境や困難、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセスと定義づけられています。ダボス会議でもレジリエンスという言葉が取り上げられたことでもわかるように、この能力は個人レベルだけでなく、世界的な異常気象や自然災害、そして経済危機に耐えられる国家レベルとしても注目されています。

今後、待ち受ける多くの変化にどう適応し、乗り越えていくべきなのか、「リーダーのためのレジリエンス入門」からエッセンスをご紹介します。

ストレスに強いリーダーの特徴

どのような状況でも仕事の能力を発揮できる人の特徴は3つ。

1.回復力

逆境や困難に直面しても、すぐに元の状態に戻ることができるしなやかさをもった心の状態です。瞑想や朝のランニングを日課としている経営者やリーダーがいますが、ストレスフルな状態から心を意識的に引き離すことをしているかもしれません。回復力とはメンタルの強さ、ともいえます。

2.緩衝力

ストレスや予想外のショックなどの外的な圧力に対しても耐性がある弾力性のある精神です。打たれ強さということもできます。

3.適応力

予期せぬ変化に抵抗するのではなく、それを受け入れて合理的に対応する力です。これこそが変化が頻繁に起きるリーダーにとっては必要不可欠な能力です。

どん底から立ち上がる3つの段階

ストレスもプレッシャーも高く、心が折れてしまう人が増えている現代。立ちはだかる壁や失敗、強いストレス体験を経験したとき、それを克服し、また変化に適応していくレジリエンスには3つの段階があります。このそれぞれの段階で必要な技術を習得していくことが大事になります。

1.底打ち

失敗するとストレスを感じ、精神的に落ち込んでしまいます。原因としては不安や心配などのネガティブな感情が原因となった悪循環です。このずるずると落ちていくような憂鬱感やイライラが延々と続き怒りの感情がいつまでたっても収まらない苦しさを感じます。まずは、このネガティブな悪循環から脱出することです。

2.立ち直り

精神的な落ち込みを底打ちすることができたら、元の心理状態へ回復することが目的となります。レジリエンスの強い人は、失敗や挑戦を恐れません。うまくいかずにつまいづいても、すぐに立ち直ることができるからです。これは心理的な筋肉のようなもので、ここが普段の生活で鍛えられることによって、ストレスやプレッシャーに対しての緩衝力となるだけでなく、逆境を乗り越えて前進する原動力となります。

3.教訓化

困難を乗り越えて元の状態に回復した後に、過去の逆境体験を静かに振り返り、次につながる意味を学ぶ内省の段階。ここで得られた教訓は、その後出会うチャレンジに活かされます。強くたくましく賢く、成長することができるのです。

ストレスの悪循環から抜け出すには

大きな失敗ではなく、ちょっとストレスがある場面に立ち会ったときでさえ、不安や心配ばかり考えてしまうネガティブな悪循環に陥ったことは自分自身、今までにも経験があります。自分に自信をなくし、笑いものにされているような気恥ずかしさ、人前に出るのが急に億劫になり、どんどん内にこもってしまうような状況です。

このぐるぐるした悪循環に陥らないためには「楽観性」が非常に重要となるといいます。ここでいう「楽観性」とは、これは遺伝された性格的なものではなく、「将来に対してポジティブな期待を保持する考え方」と定義づけられます。その反対に「悲観性」とは「将来がうまくいかないと悪い事態を予想する考え方」です。

起きてしまった出来事に対し、なぜそのような出来事が起きたか、どれだけの長さとどれだけの範囲で影響するのかという将来の予測に関して、「楽観的」な人であれば次のように自分に説明します。

・失敗の要因を自分だけにあると狭く考えず、環境などにもあると考える(外的)

・理由もなしに悪い出来事は続かないと考える(一時的)

・その問題は固有のもので、他に広がるとは考えない(限定解釈)

逆に悲観的に捉えれば、原因は自分にあると考え、一度起きた出来事はずっと続き、さらに広がってしまうだろうと大げさに考えてしまいます。ポイントは起きてしまった出来事をどう柔軟に捉えるか、ということになります。

成功の鍵はグリットにある

500万回以上ビューされたTEDのアンジェラ・リー・ダックワーズ心理学者の講演では成功の鍵として「グリット」という表現がでてきました。Guts(度胸)、Resilience(復元力)、Initiative(自発性)、Tenacity(執念)の4つの要素の頭文字をとったものです。これは気骨、気概、やり抜く力、粘り強い根気、などとして訳されます。日本人としては「気骨」「気概」というと、努力や根性を連想してしまい多少げんなりしてしまいますが、確かにスティーブ・ジョブズやジャック・マーなど、偉大な成功者たちはこのグリッド力が非常に高い特徴があります。

そしてドラッカーも指摘しているのが「勇気」です。先が見えない不確定な市場を相手に過酷な競争を勝ち抜くには、大胆な意思決定を行い、責任を自分が負う必要もあります。行動意志を強化して恐れの感情をコントロールすること、それがリーダーとして成果をあげる重要な要素となるでしょう。

多かれ少なかれ、いかなる人にも降り注ぐストレス。そこにどう立ち向かうか、を考える上でレジリエンスというキーワードは多くの学びを投げかけてくれます。大きな成功の前には、数多くの失敗もつきもの。しかし失敗からどう立ち上がるかは、自分の捉え方次第です。敗戦、不況、自然災害を経験した日本という国だからこそ、このレジリエンスリーダーというたくましいリーダーが増えることが期待されています。

参考書籍:リーダーのためのレジリエンス入門 久世浩司
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