AI人材を育てるための国の取り組み。教育にも大きく変化!

先端分野に強い人材をめぐって世界的に獲得競争が激しくなっています。昨今のニュースでは、ソニーは今年春に入社した新入社員およそ400人のうち、AI=人工知能などの先端分野で高い能力を持つ新入社員の給与を最大で2割増やすということが話題になりました。

今までも仕事の役割に応じた等級制度を導入していましたが、優秀な人材にはこれまでよりも前倒しして等級を与えるようにするということです。先端分野に強い人材の獲得競争が激しくなる中、優秀な人材を囲い込むために給与面の待遇をよくするという動きは他の企業にも広がりそうです。

日本はAI教育が遅れてる?

政府がまとめた「AI戦略」によると、「AIの利活用に関し、アメリカや中国の企業などによる覇権争いが激しさを増しているが、わが国は後れを取っている」という調査結果が出ています。米中、ヨーロッパ諸国において政府による数千億規模のAI国家戦略策定が進展しており、日本ではAIを各専門分野で応用できる人材を2025年に年間25万人育成することを目指すとしました。

画像:総合科学技術・イノベーション会議(第43回)参考資料より

全国民AI人材化!

日本政府が掲げたAI時代に求められる人材育成に関する主な具体目標は、デジタル社会の「読み・書き・そろばん」である「数理・データサイエンス・AI」の基礎などの必要な力を全ての国民が育み、あらゆる分野で人材が活躍することです。そのために主な取り組みを「リテラシー」「応用・基礎」「エキスパート」の3分類の教育に分けています。トップクラスの人材の育成は100人程度/年、エキスパートは2000人/年を目指しているといいます。

画像:総合科学技術・イノベーション会議(第43回)参考資料より

1.リテラシー教育

「数理・データサイエンス・AI」の定着に向けて小学生から社会人まで各段階で長期的に取り組みます。具体的には、小学生から高校生まで1人1台タブレット端末を使って授業を受けられる環境を整備するとともに、大学の優れたAIに関する教育プログラムを政府が認定する制度を設けるとしています。必要な素養・スキルに応じた人材の質を担保する仕組みを構築することで長期的に教育をしていきます。

画像:総合科学技術・イノベーション会議(第43回)参考資料より

2.大学におけるリテラシー・応用基礎教育

2025年までに全学生(50万人/年規模)が「数理・データサイエンス・AI」の 基礎を習得可能となる大学教育へ改革することとし、AI×専門分野のダブルメジャーの促進等によるAIを応用する基礎力の習得することを目標としています。入試・学習・教員・環境のそれぞれの分野からみたAIへの取り組みを行っていきます。

画像:総合科学技術・イノベーション会議(第43回)参考資料より

3.エキスパート教育

先鋭的な人材が自由にその能力を開花・発揮でき、世界の優秀な人材を惹きつける 魅力的な環境を整備することを目標としています。若手人材の自由な研究と海外挑戦の機会を拡充することで国際化を促進し、実課題をAIで発見・解決する学習中心の課題解決型AI人材の育成を行っていきます。こうして育成された人材を活用して、AIを「健康・医療・介護」、「農業」、「国土強じん化」、「交通インフラ・物流」、「地方創生」の5つの分野で重点的に導入し、従事者の負担軽減や、生産性の向上につなげるとしています。政府は、「AI戦略」を、6月11日にも「統合イノベーション戦略推進会議」で正式にとりまとめることにしています。

画像:総合科学技術・イノベーション会議(第43回)参考資料より

AIが診断するスキル偏差値

すでに活躍しているエンジニアのスキルもAIで診断できるサービスを提供している企業もあります。ファインディ株式会社では、GitHubをAIで解析することで、エンジニアの転職および案件探しの最適化を図っています。同社では、転職や業務委託の案件探しの際に起こるミスマッチの原因として、エンジニア側は「スキルや経験値を伝える機会の不足」「年収や時間単価を交渉するデータの不足」、企業側は「エンジニアのスキルを評価する指標や経験がない」「エンジニア職種や開発言語に対する理解の不足」にあると分析。これらを解決するべく、エンジニアのGitHubをAIを用いて解析し、開発言語別に偏差値化するという手法を取り入れました。

連携されたGitHubで解析対象となるのは公開リポジトリのみです。コードをどのくらい書いているかや他のプロジェクトへどれだけ貢献しているか、また他者からのコードの支持やアカウントの影響力を中心に解析しています。スキル偏差値のアルゴリズムは、GitHub上で日本国内在住と判定できるエンジニアの公開リポジトリ約15万人を解析し、開発を行なっています。

引用:ファインディ株式会社 プレスリリースより

文系・理系は関係ない!

日本では、大学の学部が「理系」「文系」とはっきりわかれ、進んだ道によってはまったくITやテクノロジーにかかわらなくても良い環境がありました。しかし、政府のAI戦略によると、対象は全ての学生となっており〇〇系というくくりは撤廃されています。理数系が苦手なこれからの子どもたちにとっては少し厳しい時代となりますが、世界で生き残っていくためにはしっかりとこの波にのることが大事ですね。

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