【EI(感情的知性)と集中力の関係】ストレスへの対処方法と集中力を保つ実践方法とは?

仕事の効率を上げるのに効果を発揮する「集中力」。注意を研ぎ澄まし、意欲を高めてくれる価値ある資質のひとつです。近づいてきた締め切りにも間に合わせてくれるありがたい能力でもあります。

しかし、「集中力」は頻繁に乗っ取られるものです。私たちは、いつも気が散り、大事なことを忘れ、物事に集中することができずにいます。人からであれ、自分からであれ、気を散らせる刺激はひっきりなしに襲ってくるのです。原因は時間が足りないということもありますが、ストレスが大きな原因となっていることもあります。

感情的知性(EI)と集中力?!

気が散り、集中できないでいると、自分は生産的ではないという気がしてストレスを覚え、さらに集中力を阻害するという悪循環を生じます。そしてほとんどの人は、完全に押しつぶされてしまうまで自分の集中力が弱まっていることに気が付かないともいいます。メンタルや感情が疲れると、集中力、注意力、記憶力さえ低下してしまうのです。

この悪循環を克服する方法がある、とペンシルバニア大学教員のカンディ・ウィーン氏は言います。同氏の研究では、ストレスに押し潰されて燃え尽きる人と燃え尽きない人がいるのはEI(感情的知性)を使ってストレスを管理できているかどうかというコンピテンシーの違いであるということが判明したのです。以下、ハーバード・ビジネス・レビュー誌(2019年3月号)の「EI(感情的知性)はストレスを減らし集中力を高める」から抜粋してご紹介します。

ストレスを4つの視点から管理する

集中力を向上させることができるのは、ストレスを管理するための「自己認識」と「自己管理」がポイントです。まずは自分をよく観察すること。以下に挙げる4つのポイントで自分とストレスの関係をあらかじめ把握しておきましょう。

  • 何にストレスや不安を感じるか

一体、ストレスの原因は何か。自分が何にストレスを感じているか、それを書き出してみることが、始めの一歩です。暮らしや仕事の面で不安に思っていることを書き出して、自分で何とかできることと、どうしようもないことに分けてみます。単純なことと思うかもしれませんが、意外にもこれが役立ちます。

  • どのように気持ちが変化して集中できなくなるか

どういう経路をたどって集中力が途切れてしまうのか、次にそれを理解します。集中力が弱まるパターンに陥らないように気をつけていれば、気を散らせるものを遠ざけて本来自分に備わっている注意力のレベルを保つことが出来ます。

  • 集中できない時、どんな気分になるか

ここ一番というプレゼンの時、練習を重ねた発表会の時、大事なお客さんとの打ち合わせの時、など大事な時に必要なことを思い出せないとどんな気分になるでしょうか。手に汗をかいたり、緊張したり、放心状態になったり・・・。想像するだけでも嫌な気分になりますね。ただし、自分がどんな気分になるかを具体的に把握しておくと、客観的に自分を分析することできるのでさらなるストレスをもたらすことを警戒するための手がかりとなることがあります。

  • どんな状況の時に集中力を失うか

どんな時に集中力を失うかがわかっていれば、考えるのは大事なことが終わってからにしろという注意信号が発せられます。自分が今していることに意識を引き戻してくれるのです。

以上のような方法で自分自身に対する認識を深め、ストレスの原因は「何か」「いつどんな時に」「どのような経路をたどって」「どんな気分になるのか」がわかったら、集中力をよりよく保つための実践を始めることができます。いくつか効果的な方法を下記に挙げますので、その中から自分にふさわしいものを選んでみてください。

集中力をよりよく保つための実践的方法

  • デジタルデトックスをする

米国心理学会の調査(2017年)で、メール・SNSを常時チェックしている人は、そうでない人に比べてよりストレスを強く感じていることが分かりました。常にチェックしている人の42%がメディアでの議論にストレスを感じていると答えたのに対し、それ以外の人は33%にとどまりました。

コミュニケーション手段のため完全に遮断することは難しいですが、たまにアクセスを遮断したり自分で見ることを制限したりする「デジタルデトックス」は、精神衛生の観点から望ましいと調査でも明らかになっています。

  • 脳を休める

忙しいときは常に脳がフル回転。目を閉じても仕事のことがフラッシュバックして、眠るに眠れない。そんな夜が続くと、集中力が阻害されて情報を取り入れたり思い出したりすることが難しくなります。ストレスを感じながら大量の仕事に追われている人は、睡眠に時間を取ることは不可能と思うかもしれませんが、もしそれができたら得られる見返りは大変大きいものです。

  • マインドフルネスを実践する

スティーブ・ジョブズが禅に傾倒していたエピソードは有名ですが、マインドフルネスは経営者や重たいプレッシャーにさらされているビジネスマンにとって有効であること説得力のある研究でも明らかになっています。浅はかな結論に飛びついたり、反射的な行動をして後悔するといったことが少なくなるという効果がわかっています。マインドフルネスはストレス疲れから素早く回復させてくれる感情的レジリエンス(再起力)の鍵なのです。

がんばりすぎないで立ち止まってみる

ここまで、集中力を阻害するストレスへの対処方法と、さらによりよく保つための実践方法を簡単にご紹介してきました。仕事のパフォーマンスをあげる集中力ですが、実はその背後で大きく関係しているのがストレスであり、そしてそのストレスを自己管理できているかどうかが大事なのです。

もっと集中しようと頑張るのは逆効果。無駄と思っても少し立ち止まり、ほんの少しの時間でも自分に意識を向けてみましょう。その時間が、集中力を生み出し、効率的な仕事を生み出す原動力となるのです。

参考文献:株式会社ダイヤモンド社 ハーバード・ビジネス・レビュー2019年3月号
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