技術革新により今ある仕事の半数が今後10年から20年の間にITへと入れ替わる、と先日アメリカの大学で発表されましたが、確かに進歩が遅れている日本でも、近所のスーパーやレストランでは接客の人は少なくなり、代わりにタブレットや機械が行うようになっているところをみると、そんな身近なところでさえ徐々に人から機械へ移ってきた実感はあります。職場でもRPAが導入されたり、公私共に変化が感じられているはず。

では、そんな中今後伸びる仕事とはどういった職業でしょう。日経ビジネス1月号に「2025年に稼げる職業とは?」という記事が掲載されていました。
高収入が期待される上位の仕事
1位:ホワイトハッカー
高収入が予想されている仕事の1位、それは「ホワイトハッカー」。機密情報の漏洩につながる企業のシステムの抜け穴を発見する仕事です。ハッカーがどこから仕掛けてくるのか、万全を帰したはずの企業のセキュリティにバグがないか見つけ報告することで、事前にサイバー攻撃を防ぐ役割を担います。
2位:仮想空間創造師
2位は仮想空間(VR)コンテンツを作る「仮想空間創造師」。まだ存在しない商品やサービスを実際に試せるVR。工業製品の設計からレジャー、教育分野など市場規模274兆円までの拡大が見込まれている巨大産業。しかし、まだ技術の標準さえ確率していないため、大変希少価値が高い職種です。
3位:人工肉クリエーター
3位は「人工肉クリエーター」。恵方巻きを作りすぎないように!と政府からお触れが出るほど(?)食料が溢れている日本ではあまり実感は湧きませんが、2050年には世界の人工が90億人に達し、食料特に食肉の供給がおいつかないのではと懸念されています。そこで脚光を浴びているのが培養技術で人工の肉を作る仕事。今のところ、高額ではあるけれど、すでに試作は出来ているというので驚きです。
4位:ドローン制御技師
4位は、「ドローン制御技師」。今後、高所での点検や流通、警備など実際の業務での活用が検討され始めているため、飛行の安全制の確保は必須です。「25年には人間の数より多く飛び交っている可能性がある」と予測する専門家もいるそうです?!
5位:データサイエンティスト
5位は企業のビッグデータの解析を行う「データサイエンティスト」。膨大なデータがあっても、解析ができなければ宝の持ち腐れ。データ解析を行うこの分野の人材は今まさに不足していて、すでに求人が目立つ売り手市場のようです。
6位:サイボーグ技術者
6位は20年の東京パラリンピックですでに活躍が期待されるであろう「サイボーグ技術者」。アスリートたちの身体を支える義手や義足、さらに身体の様々な部分を機械で補完する「サイボーグ」技術で来たる超高齢化社会を支えます。
さて、ここまでの上位の仕事を見てきましたが、機密情報の漏洩や食糧危機など、国内だけでなく世界規模で起こる問題を最新のテクノロジーで対応する仕事が多く、それらが求められ、かつ高収入というのは納得の結果です。
働きながらちょっと勉強して、こっちの分野にチャレンジしてみようかな、とはなかなか思えないハイレベルな仕事たちばかりですね。しかし、この後ランクインしている仕事をみると、たとえ今忙しくても新職業への転換という端緒が見つかるキーワードがありました。
それは「好きを極める」。
好きを極めればあなたも次代のプレーヤー
7位:eスポーツプレーヤー
続く、7位は「eスポーツプレーヤー」。ひと昔まで単なる遊びとして思われていたゲームは、今やプロの選手が技術を競うスポーツとなり、ひとたび大会を開けば数万人が集まる一大産業となっています。勉強そっちのけでゲームに勤しんでいたらいつの間にか世界中の大会で数千万円を稼ぐプレーヤーになっていた、という話も実際にある話です。
8位:インセクトブリーダー
8位は「インセクトブリーダー」。珍しい昆虫を飼育し愛好家に販売する仕事。珍しい品種で、かつ飼育が難しい昆虫は高値で取引され、年間1000万以上に達する販売額もあると言います。
昆虫ではありませんが、あのプニプニした見た目の多肉植物も多くの愛好家がいて、こちらも高値でやり取りされているというニュースを耳にしたことがあります。
9位:Vチューバー
次の9位は「Vチューバー」。現代の小学生が就きたい職業としてあげる人気のユーチューバー。ならぬ、Vチューバーは配信者が顔を出さず代わりに仮想のキャラクターが配信する動画です。モーションキャプチャーやCGを使うためハードルは高いものの、現在ではすでに3000人が活動中とのこととで、こちらも盛り上がっている市場です。
7位から9位は、最新テクノロジーで得た職業というよりも、好きな分野にとことん打ち込んでいくことでそこでは誰にも負けない唯一無二の存在となり、結果的に世界中に散らばる同じ分野の愛好家から注目され、ひとつの職業として成り立っていたという図式です。
そしてこれを成立させているのは、ネットの発展で以前よりも消費者と消費者(CtoC)の市場が発達し、国を越えてマニアが見つかりやすくなったという背景があります。なおかつ、消費者同士がダイレクトにつながることで、原則中間マージンがほぼ発生しないこともあり高収入商売となるのも利点のひとつですね。
趣味を単なる遊びと侮るなかれ!
先日筆者が知り合いから聞いたのは「ジップロック」マニアの話。とにかくあのビニールのジップロックが好きで好きでたまらず、世界を旅しては色んな国のジップロックを集めているという人がいると聞きました。国ごとにデザインも仕様も違って見ていて面白く、今後はそれらを展示していくつもりだそうです。
また、つい最近でも、福井市が使用済みのマンホールの蓋を売り出したところ、そのレアなアイテムにマンホーラー(マンホール愛好家)が歓喜したというニュースもありましたね。
世界は広い。「絶対これ、好きな人いないでしょー」と思っていても、探せばどこかに自分と同じことが好きな人はいるはず。しかも、それがニッチであればあるほど、価値は高い。あの時、時間も忘れてはまっていたアレ、後々自分を救う手段となる金の卵かもしれませんよ!
もし社内の業務効率化で少し早く帰れるようになったのなら、もう一度あなたの好きなことに「とことん」身を投じてみてはいかがでしょう?