償却資産税の対象となる資産、ならない資産。注意すべきポイント

「償却資産税」という税金をご存知でしょうか?だれもが関係のある税金というわけではないため「聞いたことがない」という方も多いと思います。果たして償却資産税とはどのような税金なのでしょうか?

まず始めに「償却資産税」の基礎について簡単にみていきましょう。基礎について勉強した後は償却資産税の節税方法をみていきます。

償却資産税とは固定資産税の一種

償却資産税とは、償却資産に対して課せられる固定資産税の一種です。厳密には「償却資産税」という名称の税金ではなく、市町村(※)が固定資産に対して課税する固定資産税の一部がそう呼ばれています。

事業用の固定資産には固定資産税がかかります。その中で法人税法や所得税法で減価償却費を損金算入することができるものを、土地や建物に課される固定資産税と区別して償却資産税と呼びます。

償却資産税は下記の計算式によって算出されます。

【償却資産税の計算式】
課税標準額 (1,000円未満切り捨て)×税率 (100分の1.4)=税額 (100円未満切り捨て)

償却資産の所有者は、毎年1月1日時点で保有している償却資産について償却資産申告書を作成する必要があります。その後1月31日までに資産が所在する市区町村にある税務署へ作成した申告書と明細書の提出を行います。

申告の詳細な流れについてはこちらの記事を参考にしてください。

※東京都23区においては、特例で都が課税

償却資産税の対象となる資産

1.構築物
舗装路面、庭園、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板(広告塔等)、ゴルフ練習場設備、受変電設備、予備電源設備、その他建築設備、内装・内部造作等

2.機械及び装置
各種製造設備等の機械及び装置、クレーン等建設機械、機械式駐車設備(ターンテーブルを含む)等

3.船舶
ボート、釣船、漁船、遊覧船等

4.航空機
飛行機、ヘリコプター、グライダー等

5.車両及び運搬具
大型特殊自動車(分類記号が「0、00~09、000~099」「9、90~99、900~999」の車両)等

6.工具、器具及び備品
パソコン、陳列ケース、看板(ネオンサイン)、医療機器、測定工具、金型、理容及び美容機器、衝立等

注意が必要な資産

償却資産申告書で申告が必要な償却資産とは「1月1日時点において」「事業の用に供する『ことができる』資産」です。「供している」資産とは異なるため、実際には事業の用に供していなくても(=事業で使用していなくても)以下の資産については申告が必要となります。

・償却済資産
簿価が1円かつ耐用年数が経過した資産

・建設仮勘定で経理されている資産及び簿外資産
1月1日時点では事業の用に「供していない」状態でも、有形固定資産が完成すると「供することができる」資産

・遊休又は未稼働の資産
1月1日時点で資産の使用を中止していても、事業の用に「供することができる」資産

・改良費(資本的支出:新たな資産の取得とみなすもの)
避難階段など、従来の資産と分けて資産計上されている資産

・福利厚生の用に供するもの
保養所、理髪室、食堂など、「間接的とはいえ企業として事業の用に供するもの」

・租税特別措置法の規定を適用し、即時償却等をしているもの
中小企業者等の少額資産の損金算入の特例適用資産
中小企業経営強化税制適用資産
グリーン投資減税適用資産
国家戦略特区税制適用資産 など

・使用可能な期間が1年未満又は取得価額が20万円未満の償却資産であっても個別に減価償却しているもの
少額の減価償却資産は、会計上・税務上の取り扱いによって償却資産税の取扱いが変わってきます。

<申告の対象外であるもの>

  • 取得価格10万円未満の資産のうち一時に全額損金算入したもの
  • 取得価格20万円未満の資産のうち3年間で一括償却したもの

<申告の対象となるもの>

  • 10万円以上30万円未満の備品消耗品を通常通り全額損金処理したもの

(※中小企業で中小企業の特例を適用して全額経費計上した場合は償却資産の申告の対象)

この少額の減価償却資産は後ほどご紹介する「節税対策」に繋がっています。

償却資産税の対象とならない資産

ここからは上記までとは逆に、償却資産税の対象とならない資産についてみていきます。下記に該当する資産は償却資産税の対象外となります。

・無形固定資産
特許権、実用新案権、ソフトウェアやアプリ、電話加入権など形としてはあらわれない固定資産

・営業車両
別途自動車税や軽自動車税の対象となるもの、また原動機付自転車(排気量50cc以下)、小型特殊自動車(フォークリフトなど)

・繰延資産
創立費、開業費などのように対価を支払い、役務の提供も受けたが、その効果が将来にわたって続く費用を資産計上したもの

・リース契約で借りている資産
リースしているコピー機など、所有者がリース元のもの

固定資産税の免税点

固定資産税には免税点があります。免税点となる金額はこのようになっています。

・土地:30万円
・家屋:20万円
・償却資産:150万円

償却資産の免税点は150万円です。市町村にある償却資産の課税標準額の合計が150万円未満の場合、償却資産税の納付は免除となります。

但し、償却資産の場合、課税標準額が150万円未満でも申告は必要となります。忘れないように注意しましょう。

参考:あま市|固定資産税

償却資産税の節税のポイント

「償却資産税を節税したい」そんなときに思い出してほしいのが、少額の減価償却資産は会計上・税務上の取り扱いによって償却資産税の取扱いが変わってくるということ。

<申告の対象外であるもの>
取得価格10万円未満の資産のうち一時に全額損金算入したもの
取得価格20万円未満の資産のうち3年間で一括償却したもの

<申告の対象となるもの>
10万円以上30万円未満の備品消耗品を通常通り全額損金処理したもの
(※中小企業で中小企業の特例を適用して全額経費計上した場合は償却資産の申告の対象)

中小企業で少額の固定資産を取得したときには、多くの場合で中小企業の特例を適用させます。中小企業特例の適用を受けると、取得した固定資産の費用を早く損金算入することができるからです。

しかし、「償却資産税を節税したい」という一点のポイントからだけ見るとこの適用を受けない方がお得になることがあります。

取得価格10万円以上20万円以下の資産を取得した場合、いつも通りに中小企業特例を利用すると、その資産は償却資産税の対象となります。

一方、上記の通り同じ取得価格が10万円以上20万円未満の資産でも、中小企業特例を適用させず、一時または3年間で損金算入をした場合は償却資産税の申告の対象外となるのです。

つまり、償却資産税を節税したいときは、取得価格が10万円以上20万円未満の資産に限り「中小企業特例を適用させない」経理処理を選択することで、税金を節税することができるのです。

但し、この方法は法人税に影響を及ぼすことがあるため、利用の際には十分に検討をするようにしましょう。

まとめ

償却資産税は固定資産税のひとつ。減価償却を行う資産に対し課せられる税金です。償却資産税は対象となる資産と対象とならない資産を判定するときに少し注意が必要。資産を取得したときには「これは対象となるかどうか?」をひとつずつしっかりと検討するようにしましょう。

償却資産税を節税するには少額の資産取得時にあえて「中小企業特例の適用を受けない」という方法があります。節税対策を考えていた方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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