個人事業主の勘定科目が丸わかり!消費税・住民税・所得税etc…

今回は個人事業主が税金を納付したときの仕訳と勘定科目についてみていきます。個人事業主が支払うべき税金は所得税・住民税・消費税・個人事業税の4つ。税金によっては仕訳が不要な場合もあるため、間違えないように気を付けましょう。

個人事業主が支払うべき税金

会社員と違い、個人事業主は税金の申告・納付を自ら行う必要があります。所得税・住民税はほとんどの個人事業主が、そして消費税と個人事業税は該当する個人事業主のみ納める必要があります。

以下の記事で個人事業主が納めるべき税金について解説していますので、ぜひ参考にしてください。

所得税と住民税は個人事業主でなくても支払う必要があります。所得税や住民税は所得額に応じて支払う必要のある税金です。そのため、この2つの税金の支払いは個人の支払いとなり、事業の支払いとはなりません。つまり、個人の財布から支出するべきお金であり、事業のお金とは分けて管理する必要があるのです。

一方、消費税や個人事業税は違います。どちらも事業を行っているから必要となる税金であり、個人のお金ではなく事業のお金から納付を行います。

【個人の支出】所得税・住民税の仕訳・勘定科目について

所得税や住民税は個人の支出であるため、原則として仕訳を切る必要はありません納付書が届いたら個人の現金や口座からお金を支払いましょう。

しかし、この支払いに事業のお金を使った場合は仕訳を計上する必要がでてきます。事業用の現金や事業用口座から支払いを行ったケースです。その場合、仕訳はこのようになります。

(事業用の普通預金から10万円支出した場合)
事業主貸 10万円/ 普通預金 10万円

上記の仕訳は所得税・住民税どちらの支払いの場合も該当します。

「事業主貸」とは、事業のお金を事業主に貸し付けたときに利用する勘定科目です。この科目を利用すると、事業の支出と個人の支出を明確に分けて管理することができるようになります。

還付金の受け取りも納付時と同じように、個人のお金として受け取った場合は仕訳を計上する必要がありません。しかし、こちらも事業用の口座を介して受け取った場合は仕訳計上が必要になります。

(事業用の普通預金に還付金10万円が振り込まれた場合)
普通預金 10万円/ 事業主借 10万円

今回は「事業主借」という勘定科目を利用します。こちらは事業が事業主からお金を借りている場合に利用する勘定科目です。上記で利用した事業主貸とは反対ですね。

【事業の支出】消費税・個人事業税の仕訳・勘定科目について

消費税と個人事業税は、個人の支出ではなく事業の支出となります。そのため、納付の都度仕訳を計上する必要があります。消費税の仕訳は個人事業税に比べると少し複雑なため、個人事業税とは分けてみていきましょう。

個人事業税

10万円を事業用の普通預金口座から支払った場合はこのようになります。

(納付時)
租税公課 10万円/ 普通預金 10万円

事業として支出する支払いであるため、所得税や住民税のときのように「事業主貸」勘定は利用しません。税金や公共サービスへの支払い時に利用する租税公課の勘定科目を使用することができます。

消費税の税込経理方式

消費税の記帳には税込経理方式と税抜経理方式の2つの方法があります。税込経理方式とは、消費税と本体価額を分けずに仕訳を記帳する方法のこと。仕訳が単純で処理が簡潔になります。

10万円を事業用の普通預金口座から支払った場合はこのようになります。

(通常の納付時)
租税公課 10万円/ 普通預金 10万円

消費税額の確定と納付で期をまたぐ場合

納めるべき消費税額の確定と実支払で期をまたぐ場合は、上記の仕訳ではなくこのような仕訳になります。

(今期)税金額が確定したとき
租税公課 10万円/ 未払金 or 未払消費税等 10万円

(翌期)実際に納付したとき
未払金 or 未払消費税等 10万円/ 普通預金 10万円

消費税の中間納付がある場合

納めるべき消費税額が多い個人事業主の方は、消費税の中間納付を行う必要があります。

(中間納付時)
租税公課 100万円/ 普通預金 100万円

消費税の税抜経理方式

税抜経理方式とは、本体価額と消費税額を分けて仕訳を計上すること。取引先から売上金と一緒に消費税を受け取ったときは「仮受消費税等」という勘定科目で消費税を計上します。

逆に取引先にサービスや商品の対価として代金と消費税を支払った場合、消費税は「仮払消費税等」という科目を利用します。

(中間納付時)
仮払金 100万円/ 普通預金 100万円

(今期)税金額が確定したとき
仮受消費税等 300万円/ 仮払金      100万円
            仮払消費税等 100万円
            未払消費税等 100万円

貸借で差額が発生した場合は、雑収入・雑損失にて処理をします。

(翌期)実際に納付したとき
未払消費税等 100万円/ 普通預金 100万円

まとめ

所得税・住民税は個人で負担すべき税金です。そのため、事業用の口座からでなく個人の口座からお金を支払うようにしましょう。事業用の口座から支払った場合は、個人用のお金であることがわかるように事業主貸という勘定科目を利用して仕訳を計上します。

消費税と個人事業税は事業の支出となります。そのため、中間納付や実際の納付時に仕訳を計上する必要があります。消費税の仕訳は税抜経理方式と税込経理方式のどちらを採用しているのかによって勘定科目が変わってきます。間違えないように注意しましょう。

請求書の受け取りはsweeepで自動化

【AI請求書処理】従来の請求書OCRでは対応できない非定型帳票や

自動会計仕訳も、sweeepなら対応可能!最短で即日導入、

面倒な設定不要。手軽に導入して請求業務を効率化。