これまで「青色申告の手続きとメリットとは?」「確定申告書類の書き方」などの記事で青色申告についてご紹介してきましたが、今回は具体的な帳簿のつけ方についてご紹介します。
青色申告の記帳は、年末に貸借対照表と損益計算書を作成することができるように、正規の簿記の原則に基づいて行うことが原則ですが、現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳のような帳簿を備え付けて簡易な記帳をするだけでもよいことになっています。これらの帳簿及び書類などは、原則として7年間保存することとされていますが、書類によっては5年間でよいものもあります。
青色申告を行うメリットの一つとして、青色申告特別控除を受けられることがあげられます。
控除額は上述の正規の簿記の原則に基づいた貸借対照表と損益計算書を確定申告時に提出すれば65万、決算書を提出せず補助簿のみの記帳を行った場合は10万円となります。
正規の簿記の原則に基づいた決算書とは?
では、ここでいう正規の簿記の原則に基づいた決算書の作成とはどういう事でしょうか?それは、複式簿記を用い、発生主義及び実現主義によって取引を記帳することをいいます。最低でも補助簿を作成しているという事は、複式簿記による記帳は行われているといえますので、それを決算書の科目に集約すれば貸借対照表と損益計算書は完成します。そして、費用は発生主義・売上は実現主義に基づいた記帳を行います。すなわち現金主義ののように現金収支のタイミングで仕訳を行うのではなく、それぞれの取引が発生・実現したと認められるタイミングで仕訳を行う必要があります。
詳細は追って公開される「現金主義・発生主義・実現主義の違い」をご覧ください。また複式簿記の概要については「借方・貸方とは?複式簿記の仕訳について」も併せてご参照ください。