減価償却の基礎知識⑧ 償却資産税とは?

今回は「償却資産税」とはどのような税金か、また申告の対象となる資産についてご紹介します。

償却資産税とは?

厳密には償却資産税という税金はなく、市町村(※)が固定資産に対して課税する固定資産税の一部をさします。

事業用の固定資産で、法人税法や所得税法で減価償却費が損金算入されるものを土地や建物に課される固定資産税と区別して償却資産税と呼びます。毎年1月1日に所有している償却資産について、資産の所有者がその年の1月末までに申告書を作成して申告を行います。

※東京都23区においては、特例で都が課税

償却資産税の対象となる資産

1.構築物
舗装路面、庭園、門・塀・緑化施設等の外構工事、看板(広告塔等)、ゴルフ練習場設備、受変電設備、予備電源設備、その他建築設備、内装・内部造作等

2.機械及び装置
各種製造設備等の機械及び装置、クレーン等建設機械、機械式駐車設備(ターンテーブルを含む)等

3.船舶
ボート、釣船、漁船、遊覧船等

4.航空機
飛行機、ヘリコプター、グライダー等

5.車両及び運搬具
大型特殊自動車(分類記号が「0、00~09、000~099」「9、90~99、900~999」の車両)等

6.工具、器具及び備品
パソコン、陳列ケース、看板(ネオンサイン)、医療機器、測定工具、金型、理容及び美容機器、衝立等

注意が必要な資産

「1月1日時点において」、「事業の用に供する『ことができる』資産」であり、「供している」資産とは異なるため以下の資産も申告が必要となります。

・償却済資産

簿価が1円かつ耐用年数が経過した資産

・建設仮勘定で経理されている資産及び簿外資産

事業の用に「供していない」状態でも、有形固定資産が完成して「供することができる」資産

・遊休又は未稼働の資産

資産の使用を中止していても、事業の用に「供することができる」資産

・改良費(資本的支出:新たな資産の取得とみなすもの)

避難階段など、従来の資産と分けて資産計上されている資産

・福利厚生の用に供するもの

保養所、理髪室、食堂など、「間接的とはいえ企業として事業の供するもの」

・租税特別措置法の規定を適用し、即時償却等をしているもの

中小企業者等の少額資産の損金算入の特例適用資産
中小企業経営強化税制適用資産
グリーン投資減税適用資産
国家戦略特区税制適用資産 など

・使用可能な期間が1年未満又は取得価額が20万円未満の償却資産であっても個別に減価償却しているもの

少額の減価償却資産は、会計上・税務上の取り扱いによって償却資産税の取扱いが変わってくるため、ここで説明します。

<申告の対象外であるもの>

  • 取得価格10万円未満の資産のうち一時に全額損金算入したもの
  • 取得価格20万円未満の資産のうち3年間で一括償却したもの

<申告の対象となるもの>

  • 10万円以上30万円未満の備品消耗品を全額損金処理したもの

(中小企業特例を適用して全額経費計上したものは償却資産の申告の対象)

 

償却資産税の対象とならない資産

・無形固定資産

特許権、実用新案権、ソフトウェアやアプリ、電話加入権など形としてはあらわれない固定資産

・営業車両

別途自動車税や軽自動車税の対象となるもの、また原動機付自転車(排気量50cc以下)、小型特殊自動車(フォークリフトなど)

・繰延資産

創立費、開業費などのように対価を支払い、役務の提供も受けたが、その効果が将来にわたって続く費用を資産計上したもの

・リース契約で借りている資産

リースしているコピー機など、所有者がリース元のもの

まとめ

以上が償却資産税の概要となります。

償却資産を効率的に判断する方法としては、例外事項に注意しながら「会計上の固定資産と同じ」という観点で判断していくことが申告をスムーズかつ正確に行うためのポイントとなります。

次の記事では「償却資産税申告から課税までの流れ」をご紹介します。

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