減価償却の基礎知識④ 資本的支出とその取扱い

今回は「資本的支出」とは何か?またどのように処理されるかをご紹介します。

法人が所有する固定資産について修理、改良などのための支出をした場合、その支出が資本的支出に該当するか、修繕費に該当するかで処理の方法が異なります。

資本的支出の例示

aその資産の取得時において通常の管理または修理をするとした場合に予測される資産の価額を増加させる支出額、bその資産の取得時において通常の管理または修理をするとした場合に予測される使用可能期間を延長させる支出額、に対応する金額が資本的支出とされます。

具体的には、
・建物の避難階段の取付等、物理的に付加した部分にかかる費用
・用途変更のための模様替え等、改造または改装に直接要した費用
・機械の部分品を特に高品質または高性能のものに取替えた費用のうち、通常の取替費用を超える部分
が法人税基本通達に列挙されています。

これら資本的支出は、取得価額を構成すると考えられ、原則として支出した期の属する事業年度の損金に算入されません。なお、建物の増築、構築物の拡張、延長等は、会計上は広義の資本的支出と捉えられますが、税法上は資本的支出という概念に含まれず、新たに建物、構築物などを取得した、と考えます。

税法上、資本的支出に該当する場合であっても、一回の修理、改良等のために要した費用が20万円未満と少額な場合、または修理、改良等がおおむね3年以内の期間を周期として行われることが既存の実績などから明らかな場合は、修繕費として損金経理する事が出来ます。また一回の修理、改良等のために要した費用のうちに、資本的支出であるか修繕費であるかが明らかでない金額がある場合に、その金額が60万円未満の場合、または前期末取得価額の10%相当額以下の場合は、修繕費として損金経理することが認められます。これを形式基準といいます。

資本的支出に該当する場合の減価償却費の計算

資本的支出をした場合、その金額を取得価額として対象となった資産と同様の資産を取得したものとして減価償却費の計算を行うことが原則となっています。特例として平成19年3月31日以前に取得した資産について資本的支出を行った場合、資本的支出を行った資産の取得価額に資本的支出の金額を加算して計算を行うことが認められています。

例)平成18年4月に事業供用した機械装置について、当期首に50万円の資本的支出を行った。当該機械装置の取得価額は400万円、期首帳簿価額260万円、耐用年数10年、旧定率法償却率0.206、定率法償却率0.250、減価償却費の計算方法として定率法を選定している。

ケース1:機械装置の資本的支出を新たな資産の取得として取り扱う場合

機械本体:260万×0.206=535,600円
資本的支出:50万×0.250=125,000円
合計660,600円

ケース2:機械装置の資本的支出を機械装置本体の取得価額に加算する場合

(260万+50万)×0.206=638,600円

ケース1では、平成18年に事業供用している機械装置本体については旧定率法の償却率を用いるのに対し、資本的支出部分は新たな資産の取得として取り扱うため改正後の定率法償却率を用いて減価償却費の計算を行います。一方、ケース2では資本的支出を機械装置本体の取得価額に加算するため、いずれも旧定率法の償却率を用いて減価償却費の計算を行う事となります。

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