決算のためのポイント①決算日前に検討が必要な決算対策項目

決算日前に検討すべき決算対策項目として、下記の事項について簡潔にポイントをまとめています。

各種引当金の計上

法人税法は、販売費および一般管理費の(償却費を除く)損金算入について、事業年度末までに確定した金額のみを前提としています。これを債務確定基準といいます。この原則に従えば、将来発生することが予測される費用や損失であっても、実際に発生し債務が確定した期に損金の額を計算することになります。

しかし、企業会計では保守主義の原則、費用収益対応の原則から、将来発生することが予測される費用や損失をあらかじめ見積もって引当計上することが要請されています。そこで、法人税法でも企業会計との調和の観点から、a.貸倒引当金とb.返品調整引当金についてのみ別段の定めを設け、損金の帰属期間に関する例外的な取り扱いを認めています。

a.貸倒引当金

貸倒引当金には、特段の事由が生じている債権に対する「個別貸倒引当金」と、通常の債権に対する「一括貸倒引当金」があります。

b.返品調整引当金

法人税法上は債務確定基準を前提としているため、販売した商品の返品が予想される場合であっても、返品による損失額は実際に返品された事業年度の損金の額に算入され、引当金による見越計上は原則として認められていません。しかし、出版業、医薬品販売業等を営む法人については、買戻し特約等による販売に伴い、将来の一定時期に多額の返品が生じることになるため、別段の定めを設けて返品調整引当金の計上を認めています。

設備投資

<減価償却>

法人税法においても減価償却の計算は企業会計と同様に費用配分を目的としています。減価償却は法人内部にて計算が完結するため「債務の確定」というプロセスがありえず、一方で恣意性の介入が避けがたいため、取得価額、耐用年数、残存価額、償却方法が法定され、これに基づいて計算された償却限度額の枠内において損金の額に算入することが認められています。

<グルーピング>

償却限度額は、個々の減価償却資産ごとに計算するのが原則ですが、実務上の簡便性を考慮して、計算要素が同一の資産が複数ある場合には、それらを一纏めにグルーピングして一括して計算を行うことができます。

<増加償却>

機械装置について予定使用時間を著しく超えて事業供用した場合には、その程度に応じて耐用年数を短縮するのが理論的には正しいといえますが、その操業度は景気状況等によって左右されるため、耐用年数の短縮によらず、超過操業を行った事業年度に多額の償却費を計上する事ができます。

<陳腐化償却>

技術の進歩等により、既存の償却資産に著しい陳腐化が生じ、使用可能期間が短縮したり、経済的価値が減少したりした場合には、陳腐化した状態の使用可能期間を基礎として当初から償却をやり直し、計算された過去の償却不足額を当期の償却限度額に加える事ができます。

<少額減価償却資産>

使用可能期間が1年未満、または金額が10万円未満の減価償却資産は、減価償却費の計算を行わず、その取得価額相当額を事業供用年度に一括して損金経理する事ができます。

<一括償却対象資産>

取得価額が20万円未満の減価償却資産について、上記の少額減価償却資産の規定の適用を受けない場合には、事務負担軽減の観点から、通常の減価償却費計算によらず、まとめて3年間で均等償却する事ができます。

<特別償却>

法人税法上の減価償却には、租税特別措置法に規定されている特別償却というものもあります。特別償却は、産業政策や住宅政策のために設けられた優遇規定で、法令に規定された一定の場合に、初年度一時償却、または割増償却を行い通常の償却限度額より多額の金額を損金経理する事ができます。
主な制度に、エネルギー需給構造改革推進設備等を取得した場合の特別償却、中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却、高齢者向け優良賃貸住宅の割増償却、等があります。

<圧縮記帳>

法人税法上は、租税政策や産業政策等のため国から交付された補助金も課税所得を構成すると定められています。しかし、補助金に課税されれば結果として補助金が減額されることになり、それによって当初購入を予定していた資産が購入できなくなってしまっては本末転倒です。そこで、国庫補助金は課税するが、購入した資産の取得価額を補助金の金額だけ減額して損金の額に算入する、という課税技術上の制度を採用しています。


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